坂本花織 GPシリーズ初V「オー」キスクラで自己ベスト153.91点に驚くも全日本選手権へ更なる伸びしろ
◇28日 フィギュアスケート・グランプリ(GP)シリーズ最終戦NHK杯 女子フリー(大阪・東和薬品ラクタブドーム) 充実感が全身にあふれていた。SP1位の坂本花織(20)=シスメックス=は演技を終えると両手を挙げ「キス・アンド・クライ」で得点を確認すると「オー」と声を上げた。非公認ながらフリーでマークした153.91点は、自己ベストの146.70点を大きく上回った。合計229.51点で堂々のGPシリーズ初優勝だ。 「このフリー(構成)でノーミスなら、こんな点数が出るんだと実感できてうれしかった」 冒頭のダブルアクセル(2回転半ジャンプ)を決めて流れに乗ると、後半の3連続ジャンプなどを次々と決めて、映画「マトリックス」の世界を存分に演じた。10点満点で表現力を示す演技構成点は4項目で9点台に乗せる会心の内容だ。 昨季は国内大会、国際大会でも成績が振るわなかった。体力不足が原因と考え、コロナ禍の1カ月半の自粛期間は徹底した体づくりに着手。今はその成果を実感する。 「最後まで迫力ある演技を全力でやり切る体力がついている。その部分が昨年と比べて認められているのかな」 SPのステップやスピンの取りこぼしがなければ、さらに点が伸ばせることも確信。坂本は12月の全日本選手権(長野)に向け「『やったったで』と言えるぐらいの演技をしたい」と力を込めた。
中日スポーツ