ハロウィーンの「路上飲酒」対策に向け渋谷区長と新宿区長が合同会見 “飲酒禁止の法制化”を国に要求
渋谷区は中長期的なオーバーツーリズム対策も実施
10月30日と31日には、雑踏事故を防止するため渋谷駅周辺に一方通行の柵が設置される。「ハチ公像が見られなくなるので、観光を予定されている方は注意してほしい」(長谷部区長) 渋谷区で条例が施行されてからすでに数年が経っている。「コンビニや酒屋など酒を販売する商店は飲酒規制を歓迎しないのではないか」との質問に対し、長谷部区長は「条例に対して店舗からのクレームは出ていない」と回答した。 「『なんとかハロウィーンを公式のイベントにできないか』とビジネス面での提案をされることはあるが、原則的に断っている」(長谷部区長) また、渋谷区では観光客に飲食店やライブハウス・クラブなどを紹介する、スクランブル交差点を目当てに来た観光客を周辺地域に誘導して分散化するなど、中長期的なオーバーツーリズム対策も実施している。 一方、吉住区長はハロウィーン明けに路上に散乱するごみの大半がコンビニで購入されたものであると指摘し、ごみ箱の設置を店舗に義務付けることも検討していると語った。
自治体での対策には限界、国による法制化を要求
路上飲酒は2020年に新型コロナウイルスの流行で一時的に減少したが、2023年5月の「5類」移行と入国規制の緩和で外国人観光客が増え、オーバーツーリズムとともに再び問題視されるようになった。長谷部区長によると、週末にセンター街付近で路上飲酒を行う人の約3分の2が外国人であるという。 1日から改正条例が施行されたことにより、昨週末は渋谷で路上飲酒を行った人の数は大幅に減少した。しかし、渋谷区・新宿区の条例はともに罰則がなく、規制には限界がある。 「オーバーツーリズムの問題を解決するためには、強力な対策が必要。区のような基礎自治体だけでは、体制作りは難しい。 今後は、路上飲酒禁止の法制化などを国に要求していく」(長谷部区長)
弁護士JP編集部