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プラントベースフード市場、植物肉を中心に急成長 乳製品や飲料にも波及

配信

日本食糧新聞

植物性原料を使ったプラントベースフードや代替食の市場が存在感を大きく強めている。最大の話題は世界的にも注目を集めた植物肉で、今春は食肉加工大手はじめ食品メーカーが相次ぎ参入したほか、ファストフード大手やコンビニエンスストアも商品化するなど一気に認知度を拡大。動物性に代わって植物性食品を摂取したい消費者層の拡大や健康意識などの高まりを追い風に、5年後の国内市場は1000億円規模に達するとみる関係者もある。

「ヘルシー」「サステナビリティー」がキーワード

同様の流れで植物性チーズや「第3のミルク」と呼ばれるアーモンドミルクなどの成長も見込まれ、今春はナショナルブランドメーカー各社が主力商品を植物性原料へ切り替える新たなトレンドも登場。国も将来的な食糧危機の視点から代替タンパク質の確保へ本腰を入れはじめるなど、プラントベースフードを取り巻く環境はドラスチックに動き出した。 多くのメディアで報じられているように、植物肉などのプラントベースフード市場は環境保護意識の高まりやビーガン(完全菜食主義者)の増加などを背景に世界規模で拡大。世界人口の増加や気候変動に伴う将来的なタンパク質供給源の不足を補う視点からも、持続可能な植物性食品が急速に注目を集めている。 そうした世界的潮流は日本にも波及しているが、わが国は海外のような社会的要因よりも、植物性の持つ健康イメージが国内市場の拡大をけん引する格好だ。中高年のメタボ改善や女性の美容意識、高齢者の体力維持などを目的に、タンパク質摂取を脂質の高い肉からヘルシーな植物性へ切り替える需要が広がっている。 特に今年は、7月開催予定だった東京2020大会へ、ビーガンやベジタリアンを含む多くの外国人の訪日が見込まれていたことから、食品業界ではインバウンド対応も視野に、植物肉を強化する動きが過熱。家庭用市場で先行していたマルコメや大塚食品などに続いて、日本ハムや伊藤ハムが参入。丸大食品と合わせ、食肉大手3社が揃って踏み出した。 卸も伊藤忠食品が年初よりプラントベースフードのマーチャンダイジング提案を開始、日本アクセスも開発商品で参入するなど、一気に市場が動き出した。 東京2020大会は延期となったが、「外出自粛で家庭内の新たな食事にチャレンジする機運が強まり、大豆ミートを利用する層が増えた」(メーカー)、「買い物頻度の抑制でストック需要が増加し、食品スーパー店頭では精肉の品薄や欠品が発生。肉の代替としてベジミートを購入するきっかけが生まれた」(卸)など、直近の3~5月は市場にとって新たな追い風が吹いたとみる向きは少なくない。 ビーガンやベジタリアン人口が少なく健康志向が先行する日本のプラントベースフード市場だが、将来的には流れが大きく変わる可能性もある。現状の主要購買層は自身や家族の健康を気遣う30~40代の女性とみられ、企業もこの層をターゲットにした商品開発を行うケースが目立つ。 一方、将来の消費の主役を担う10~20代は現在の主要購買層と比べ、環境保護やアニマルフリーなどの意識が強いとされる。SDGs(持続可能な開発目標)を背景に脱プラ、レジ袋の有料化などの動きが進み、現在以上にサステナビリティーが浸透した社会環境になれば、日本における植物肉市場も欧米に似た成長をたどる可能性もある。 植物肉専業ベンチャーとして2011年から市場推移を見てきたグリーンカルチャーの金田郷史CEOは「米国ほど肉を摂取しない日本では、海外と同様の急速な成長速度は示さないだろう」としつつも、「今の10~20代が消費のメーンストリームになるころには、植物肉は国内で当たり前に買えるようになり、市場も大幅に拡大するのでは」と推測している。

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