日本の初代サンタは「かつらをつけた殿様風」 クリスマスの歴史をたどる
サンタクロースと言えば太っちょで赤い服――。 しかし、その歴史は意外と浅いようです。しかも、日本の初代サンタは、かつらをつけた殿様風だったそうです。どういう経緯があったのでしょうか?
そもそも、クリスマスって何?
みんなで集まってプレゼントを交換したり、ケーキやチキンを食べたり、あるいはイブにデートに出かけたりと、多くの人が楽しみにしているクリスマスですが、もともとは、キリスト教徒がイエス・キリストの誕生を祝う日です。
生まれたばかりのイエス・キリストの元を、3人の賢者が訪れて黄金、乳香、没薬(もつやく)を贈った、という新約聖書のなかの言い伝えからきています。なお、「クリスマス」という言葉は、英語でキリストを意味する「クライスト」と、ミサや祭りを意味する「マス」が合わさってできた造語です。
プレゼントの風習はいつから?
キリストの誕生を祝う日ではありますが、実際に生まれた日がいつなのかはよくわかっていません。当時は新生児の死亡率が今よりも高かったほか、誕生した日を祝う風習がなかったためとされています。 クリスマスが12月25日と定められたのは、4世紀のこと。ローマ帝国のコンスタンティヌス帝が、自身が信仰する太陽神の祝日である12月25日と同じ日にすることによって、自らの権力を見せつけようとしたのではないかとの説がありますが、確たる証拠はなく、詳細は不明です。 以降、キリスト教の宗派のうち、カトリックやプロテスタントはこの日をクリスマスとしていますが、東方正教会は、私たちが使っているグレゴリオ暦よりも古いユリウス暦を採用しており、グレゴリオ暦の12月25日がユリウス暦では1月7日にあたることから、1月7日にクリスマスを祝います。 プレゼントを贈る風習は、4世紀ごろ、キリスト教の聖(セント)ニコラウスが、貧しい人々にお金を恵んだという伝承からきています。聖ニコラウスはオランダ語で「シンタクラース」、英語で「サンタクロース」と呼ぶことから、サンタクロースの名が定着したとみられています。