合言葉“エペジーーン”で日本初の金メダル
東京五輪のフェンシング男子エペ団体で初の金メダルを獲得した日本代表(見延和靖、加納虹輝、山田優、宇山賢)が31日、メダリスト会見に臨みました。 チーム最年長の34歳、キャプテンの見延選手はチームの躍進を支えた合言葉“エペジーーン”についても言及しました。 以下、各選手の主なコメント ●見延和靖選手 「自国開催の団体戦に出場して金メダルを絶対取るんだという思いをこの5年間思い描き続けてきた。その夢がかなって、フェンシング界に大きな一歩を踏み出すことができたんだなと少しずつ実感がわいてきている。数年前までは日本人が最も勝てない種目がこのエペだと言われていたが、そんなことはないと思っていた。フットワークの強化をしたこと、サーシャコーチの指導があって取れた金メダルだと思う。次回のパリ五輪も僕は目指すつもりでいる。個人だけじゃなくて団体も出たいし、次は2冠したい。合言葉の“エペジーーン”には、気持ちをジーンと込めるという意味と僕たちのプレーを通して見てもらう方にジーンと感動を届けるという二つの思いを込めている。小さな幸せだったり、小さな親切があったとき、『あ、今エペジーーンとした』みたいな使い方をしていただいたら皆さんもエペジーーンの仲間入りです」 ●加納虹輝選手 「きょうの朝起きて自分の手元に金メダルがあり、かなり実感が出てきた。僕は今回五輪に出ていた世界のメンバーの中で1番目か2番目に身長が低いが(173cm)、その身長を僕はメリットととらえて身長が低いなりに勝負をしていこうと思っていた。それがうまくいって、今回の団体戦は金メダルが取れたと思う」 ●山田優選手 「まだふわふわしたような夢のような感じで、でも少しずつメッセージが来るたびに実感がわいてきて、とてもうれしい気持ちでいっぱい。フェンシング選手はみんな試合用の剣を持っていて、調子がいいときはその剣を大事にしたりする。僕もアジア選手権だったり大事なところで使った剣があって、それを五輪用にとっておいて、2年近く温存していた。だが温存しすぎて全然僕はぴったりこなくなってしまって、本番は練習用の剣で勝負した。それが意外に良かったと思う」 ●宇山賢選手 「最初、交代選手ということで個人戦もなかったが、本当にフェンシングをするあの台の上に全てを悔い残さず出し切った満足感を感じた。身長は190センチくらいあるので海外の選手と引けをとらないが、それだけでは勝てない。僕のまだまだ精進しないといけないところは、体を強くしてフィジカル的に負けないようにするところとフットワーク力。大きいからこそ動き続けるということを大切にしている。このご時世なので(地元の)関西にいくのは難しいかもしれないが、落ち着いたらメダルを握りしめて皆さまに応援の感謝を伝えたいと思う」 <フェンシングの概要> ◆2人の選手が向かい合い、片手に持った剣で互いの「有効面」を攻防する競技。 ◆種目は三つで、得点となるターゲットの範囲「有効面」等が異なる 「フルーレ」…背中を含む胴体/突きのみ 「エペ」………全身/突きのみ 「サーブル」…頭や両腕を含む上半身/突き&斬り ◆過去の五輪成績 12年ロンドン大会で、男子フルーレ個人(太田雄貴)と男子フルーレ団体で銀メダルを獲得 ●写真:アフロスポーツ