DF杉本陽春のAチーム初ゴールが決勝弾!福知山成美、久御山を下し準決勝進出
第99回全国高校サッカー選手権大会・京都大会の準々決勝が11月3日に京都府立山城総合運動公園で行われた。球技場Bでの第1試合は福知山成美と久御山という、共に全国大会出場経験を持つ強豪同士の対戦となった。 【フォトギャラリー】福知山成美 vs 久御山 試合はボールを保持しながら崩しにかかる久御山、自陣で守ってカウンターを繰り出す福知山成美という展開で試合が進む。スコアが動いたのは前半終了間際の39分。久御山高校は左サイドからFW荻野大登(3年)があげたクロスを、ファーサイドへ走りこんだMF山本大翔(3年)が先制点を決めた。 後半、開始間もない45分に福知山成美が同点に追いつく。左サイドからのクロスに反応して飛び出した相手GKがキャッチしきれず、そのこぼれ球をMF井口駿(3年)が折り返し、最後はFWオリオラ サンデー(2年)が決めた。その後は一進一退の攻防が続く。久御山は前半同様にボール保持率で上回り、交代出場のMF門野時也(3年)がドリブル突破から左サイドを崩すなど攻撃を仕掛ける。対する福知山成美も懸命の守備で耐え、ボールを奪ってからのカウンターが前半はサンデーが孤立しがちだったが、後半は近い距離にサポートが入ることで相手ゴールに迫る場面も増加した。 そんな中、決勝点は試合終盤の73分に生まれる。福知山成美が獲得した右CKをMF八尋ケンジ(3年)が蹴ると、ゴール前で久御山守備陣がクリアしきれず、浮き球となったところをDF杉本陽春(1年)が「練習試合も含めてAチームで初めてのゴール」という長身を生かしたヘディングシュートで押し込んだ。残り時間で久御山も必死の攻撃を繰り出すが、福知山成美が粘り強い守備で逃げ切って勝利。準決勝進出を決めた。 敗れた久御山の大溝雄太監督は「一番悔しい負け方」と唇を噛んだ。ボール支配率で上回り、ゴール前まで攻め込む場面を何度も作りながら得点を奪いきれず、逆にミス絡みから2失点を許してしまった。中盤で攻撃を司ったMF津田向陽(3年)は「守備陣がサンデーを抑えてくれていたので、中盤は自分と久保奏人でゲームを作れていた。後半に追いつかれた後も『崩されたわけじゃないので落ち込む必要はない』とみんなで話していた。ただ、心の余裕が少し無くなったかもしれない。ボールをつなげない時間帯もあった」と振り返り「チャンスを作るところまではいけていた。決めるところを決め切れなかった」と悔しがった。 今年は多くのチーム同様に、久御山もコロナ禍で難しいチーム作りとなった。夏は遠征に行けず、府外のチームとの練習試合が禁止された時期もあった。それでも指揮官は「この学年は練習や紅白戦からバチバチやって、お互いを高めあっていた。そこは救いでした」と話す。キャプテンのDF加藤史也も「一人ひとりが勝ちたい気持ちが強い。練習でヒートアップすることもあったけど、それも負けたくないから。そうして高めあってきました。選手権でも、もっと上へ行けると思っていた」とベスト8敗退に悔しさをにじませた。