コロナ禍の沖縄旅行 一人旅で長く宿泊 初めて訪れた人の満足度は低下か「また来たい」21年は13%
沖縄振興開発金融公庫は30日、2021年版の「コロナ禍における日本人の沖縄旅行に関する調査」を発表した。実際に旅行に訪れた人への調査では、宿泊日数が長くなる傾向や一人旅の割合が増えるなど、コロナ禍を反映した結果が表れた。ただ、21年に初めて沖縄を訪れた人は、再訪意向が低くなった。観光施設や飲食店などの休業や時短営業で満足度が低かった可能性がある。公庫は「滞在中の経験の提供やファンを維持する取り組みが必要」と提言する。(政経部・川野百合子) 【図解】車社会の沖縄へ旅行「当分ない」 車離れする10~30代が敬遠 調査で判明 移動手段で運転に抵抗感 沖縄公庫が日本交通公社(JTBF)に調査・分析を依頼し、まとめた。 21年7~9月の沖縄旅行者の5泊以上の割合は、前年同期比15・1ポイント上昇の31・3%と最も大きな値だった。平均宿泊日数も3・58日と、19~20年に対して長期化する傾向が示された。全国は5泊以上が少なく、飛行機移動が必要な沖縄特有の結果となった。 同行者の数も変化した。21年は一人旅の割合が突出して高く、7~9月には全体の3割を占めた。全国的にも一人旅は増えたが、沖縄ほど上昇はしなかった。 一方、コロナ禍で初めて沖縄に訪れた人は、リピーターに比べてまた訪れたいとする意向が低い傾向にある。再訪について、19年に初めて訪れた人が「大変そう思う」と答えた割合は39・6%だったが、21年は13・8%にとどまった。逆に、これまで2回以上来たことのあるリピーターは、21年の方が再訪意向が高かった。 コロナ禍で旅行した感想で7~9月は「混雑がなく快適」が41・7%でトップ。「休業や時短の店舗や施設があり残念」は37・5%、「コロナ禍前と特段変わらない」が35・4%と続いた。「内緒で行ったため旅行後に土産話ができなかった」との回答も16・7%あった。リピーターは混雑がない状況に快適さを感じた一方、初めての人は満足しなかった可能性がある。 沖縄公庫は結果を受け、空間・時間的な分散化で快適さを維持することや、現地での思い出したくなる経験の提供、観光地として「レスポンシブル・ツーリズム(責任ある観光)」の実現などが必要とした。