今回の内閣は「政策断行内閣」岸田首相会見8月10日(全文1)
対話に応じない姿勢を続ける中国にどう向き合うか
TBS:TBS、中村と申します。対中国政策についてお伺いします。中国はアメリカのペロシ下院議長の台湾訪問に反発する形で大規模な軍事演習を今月の4日から7日まで実施した上で、継続して8日、そして、きのう、今日も実施しました。台湾への軍事的な圧力を常態化してきているのが今の現状で、4日には日本の排他的経済水域内に中国の弾道ミサイルが初めて落下をしました。対話に応じない姿勢を続ける中国に対して、日本として具体的にどのように向き合っていくお考えでしょうか。また、総理は中国との首脳会談を行う用意もあるのでしょうか。併せて、中国側の日本は台湾問題についてとやかく言う権利はないという主張に対して、日本政府としての見解をお願いします。 岸田:まず、中国が発射した弾道ミサイルが、わが国の排他的経済水域を含む、わが国近海に着弾したことはわが国の安全保障、また、国民の安全に関わる重要な問題であり、中国に対して強く非難をし、そして抗議を行いました。それとともに今般の中国側の行動は、国際社会の平和と安定に深刻な影響を与えるものであり、軍事訓練の即刻中止、これを求めた次第です。 中国との間においては、主張すべきものは主張し、そして責任ある行動を強く求めつつ、諸懸案を含め対話を重ね、共通の課題については協力をする。こうした建設的で安定的な関係を双方の努力で構築していく必要があると、従来から申し上げてきました。今のような、こうしたときこそ、しっかり意思疎通を図ることは重要であると考えています。そして、日中首脳会談については現時点で何も決まったものはありませんが、わが国としては中国側との対話については、常にオープンであると考えております。 そして、台湾問題についてのわが国の立場でありますが、わが国の台湾に関する基本的な立場、これは、もう従来から一貫しております。1972年の日中共同声明を踏まえ、非政府間の実務関係として維持をしていくこと。また、国際社会の安全と繁栄に不可欠な要素である台湾海峡の平和と安定が重要であり、台湾を巡る問題が対話により平和的に解決される、これを期待するというのがわが国の基本的な立場です。台湾海峡を含む地域の平和と安定の重要性について引き続き、中国側にも直接、これ伝えるとともに、各国共通の立場として明確に発信をしていくこと、これも大事だと思っています。同時に、今後とも米国をはじめとする同盟国、同志国と緊密に連携をしながら、両岸関係の推移、これを注視していきたいと考えています。以上です。 司会:それでは次の方。それでは、NHKの伏見さん。 【書き起こし】岸田首相会見8月10日 全文2に続く