「どんな状況でも絶対に守り切る」横浜F・マリノスGKオビ・パウエル・オビンナが追い求める勝者のメンタリティー/インタビュー前編
流通経済大から新加入するも「4番手の状態」が続く中、8月に栃木SCに育成型期限付き移籍し、10月末に復帰。昨季リーグ最終盤に見せたGKオビ・パウエル・オビンナのパフォーマンスは新シーズンへの期待が膨らむものだった。「ものすごく濃かった」1年をあらためて振り返ったオビは、いかに成長し、そして今季を見据えているのか? J1クラブ名鑑|2021年最新の予想スタメン・布陣・注目選手は? Goalでは、スポーツ配信チャンネルDAZN(ダゾーン)とパートナーメディアによる「DAZN Jリーグ推進委員会」の金J特別企画として、オビに話を聞いた。【聞き手=林遼平】
栃木に行って本当に良かった
――昨年、流通経済大学から横浜F・マリノスに加入しました。シーズン当初はどんな思いを持って臨んでいたのでしょうか? 最初は「試合に出るために何をするべきか」ということを常に考えていました。ただ、考えてやってはいたのですが、現実的には4番手の状態が続きベンチにもなかなか入れませんでした。もちろんF・マリノスで試合に出ることを諦めていたわけではないのですが、「このままではダメだ」というか「何かを変えなければ」という中で、栃木SCから声を掛けていただきました。 違うクラブで勝負して見えてくる課題もあると思って、環境を変えることにしました。そして8月から栃木に行き、ありがたいことに試合に出ることができました。そこで日々練習しているだけでは気づかないことや試合に出る大切さ、試合の中で起きる状況に対しての試合勘を身を以て経験することができました。本当に、昨シーズンはそこから始まったな、という感じでしたね。 ――短かったですが、栃木に在籍した期間はすごく大きいものだったんですね。 すごく大きかったですし、プロになって初めて試合に出たのも栃木でした。そういう面で本当に感謝していますし、あの期間のおかげで昨シーズンいろいろな経験ができたと思っています。やはりピッチに立つことによって得られるものもありました。ピッチに立つことによって、立っていない時の時間がどれだけ重要かも分かりました。栃木でピッチに立つことができて本当に良かったです。 ――10月末、横浜F・マリノスに戻ることになります。その時は、どんな思いを? やはり自分はF・マリノスで試合に出て活躍することを目標に加入しました。ただ、それがなかなかできず、栃木で試合に出させてもらっていたので、戻ることに対して100%嬉しいという気持ちだけではなかったのが正直なところです。栃木のチームメイトともっと一緒にやりたかったですし、本当に濃い時間が過ごせていたので勝っても負けてもいろいろな経験をもっとしたいなという気持ちもありました。 だけど、栃木に行く理由の一つとして、やはりF・マリノスでどう自分が輝くか、どうしたらこのチームのプラスになれるかを考えて移籍をしたわけです。だからこそ、ここで帰るからには栃木で学んだことをF・マリノスでやってやろうという気持ちと、約3か月間の自分のプレーや得た経験に自信を持って、胸を張って帰ろうという気持ちでした。