手を振って骨折をしたことも…「人生で約80回以上骨折している」しかし、自身の病を”相棒”と語る女性。そのわけに迫る
自分の発信が誰かの役に立つのでは…
さきさんがSNSを始めたのは、友人が「こんなの今流行っているみたいだからやってみなよ!」と声をかけてくれたことがきっかけでした。 「面白そう」と思ってSNSを始めたさきさんは、最初のころはただただダンスしているところを撮ったり、友人との写真をあげたりしていて楽しんでいたといいます。 そんなとき、彼氏さんと付き合うようになり、2人の動画をあげていく中で、最初のころよりも骨形成不全症について伝える機会が多くなっていったのです。そして「障がいのことを知りたい」とDMなどでいただくこともありました。 そこで、障がいを発信していくべきかと悩んでいたさきさんは、高校生のころを振り返ってみます。 「私自身、これからの人生や恋愛などに悩んでいましたが、まだSNSが普及していないときだったので心がモヤモヤしていました。誰かに相談することもできなかったし、それに私のような経験をしている人が少なかったです。本には医学的なことしか書いていないですし、すごく不安で周りを見て、羨ましいなーと思うことしかできませんでした。だから、SNSで発信することで『誰かの役に立つのでは?』と思いました」 そうした思いから、自身の障がいをしっかりと伝えるようになっていきました。 さきさんのSNSには「かわいい」「明るくて素敵」など、多くのコメントが寄せられています。また、 他にも「元気をもらった」「私も頑張ろうと思った」「勇気をもらった」というコメントもあり、それらを見たときに「すごく嬉しかったのと私も頑張ろうと思えました」とコメントに対する思いを話していました。 しかし、もちろんいいコメントだけではなく、ときには悲しいコメントも寄せられます。 「それはそうだよねって思っています。ちょっと悲しかったり悔しかったりもする…」とさきさん。 自分の障がいや自分のことを言われるのはあまり気にならないといいますが、さきさん以外の人のことを言われたときに「ムッ!」となったり、ケータイに向かって「ムスッ」としたりしますと笑いながら語ってくれました。 生まれつき骨形成不全症という障がいを患っていたさきさんは、現在病気について「これからも共にする相棒かな?」と思っているといいます。 「相棒ってお互い助け合いという意味もあると思うので、障がいが相棒?って思うかもしれませんが、私からすると障がいがあるから得た経験もあって、全部がマイナスってことではなくプラスだったこともあります。たとえば、周りの人たちがとっても優しく接してくれることが多くあって、たくさんの人たちからの優しさをいただいて今の私があります。きっと皆さんよりもそういう経験をたくさんしていて、その恩返しを何かしらでできたらいいなと思ったり、そう思ったときに人との接し方を考えるきっかけになったり…。それならいろいろ勉強しよう!と未来を考えるようになったり…。障がいは自分のことを考え、自分の将来を考えるきっかけを作ってくれました。そう思うとプラスな出来事かなと思っているので、私からすると相棒なのです」 今後、さきさんが挑戦していきたいことはスキューバーダイビング。 「いつか挑戦したいなと思っています」と語り、彼氏さんの願いは「これからもたくさんのことを全力で楽しんでほしい」ということ。 骨形成不全症を相棒と捉え、前向きで頑張り屋のさきさん。そしてそっと支える彼氏さんの存在。さきさんの挑戦、彼氏さんの願いはきっと叶うことでしょう。
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