手を振って骨折をしたことも…「人生で約80回以上骨折している」しかし、自身の病を”相棒”と語る女性。そのわけに迫る
骨形成不全症という病気を聞いたことがありますか? 骨形成不全症とは、骨がもろく弱いことから、些細なことで骨折をしてしまう生まれつきの病気です。また、障がいの度合いによって骨折の頻度も違いますが、骨折だけではなく歯がもろかったり、難聴だったりと骨折以外にもいろいろな症状が見られることもあります。 「人生で約80回以上骨折している」と骨形成不全症について語るさきさん。さきさんは、SNSでそうした様子を発信しており、ときには彼氏さんが投稿することも。 今回は、さきさんとその彼氏さんに話を聞きました。 【実際の写真6枚】現在のさきさんの様子(@kochujan.s.k0928さんより提供)
ちょっとしたことで骨が折れてしまう骨形成不全症
骨がもろく、些細なことで骨折してしまう骨形成不全症。さきさんは4歳、5歳くらいに「ちょっとしたことで折れちゃうんだなー」と、この病気について感じていたといいます。 また、体が小さかったことから「すぐに抱っこしてもらえるので、幼いころは嬉しくて、あまり悲しい気持ちではなく、逆にみんなに抱っこしてもらえて嬉しい!」という気持ちが勝っていました。 ただ大人になるにつれ、自分のできることが少ないことにも気づき始めます。それに対して「悔しかったですし、これから先悔しい思いをしていくことが多いのかな?」と一時期は悲しい気持ちに…。しかし、なるべくマイナスなことを考えなかったというさきさんは「案外楽しんでいました」と当時のことを振り返ります。 さきさんは、徐々に自分で動けるようになった5歳くらいから骨折するようになり、小学校3年生までは大きな骨折が多く、高校の頃は小さな骨折が多かったといいます。 「小学校の3年生までは大腿骨に何も入れていなかったので、とくに大腿骨の骨折が多かったです。湯船でジャンプをしただけなど本当に些細なことで骨が折れました。少し力を入れて足を動かしたら折れた…など1年のうち2、3回は大腿骨骨折でした」 そこで小学校4年生のとき、大腿骨にロットを入れることになります。すると大腿骨の骨折がなくなり、そこからはかなり骨折の頻度が減少。 しかし高校生のころは「とくに肋骨は結構な頻度で折れていました」と、通学などの疲労から足以外での骨折が多かったといいます。 ※ロット…金属のバー 些細なことでも骨折してしまうため「人生で約80回以上も骨折している」と語るさきさんですが、骨折したときの感覚について「個人差はかなりあると思いますが、私の場合骨折したときには『ポキっ』と音が鳴ります。それは私だけではなく、周りにいる人まで聞こえるくらいきれいな音です。そのため『あ、骨折したね』とすぐにわかります」と笑いも交えながら話してくれました。 たとえば、腕だったら骨折した腕側が重くなってまったく動かなくなり、その後すぐに痛みが出るといいます。 「本当に折れた瞬間、自分の腕ではないんじゃないかってくらい重くなっていくのです。骨折の仕方によっては骨が肉に刺さったりするので、チクチクとした違う痛みも伴ったりしています」 手を振って上腕骨を骨折、抱っこして肋骨骨折、シーソーに乗って大腿骨骨折、車いすから落ちて頭蓋骨骨折ということもありました。 現在も「どんなに気をつけていても骨折をしてしまうことはある…」といいます。肋骨はやはり弱いので、ときどきくしゃみをしただけで骨折をしてしまうことも。 大きな骨折は5年前に一度足首の骨折をしたのが最後で、大腿骨や腕の骨折などの大きな骨折は減りました。治すまでには個人差はあるものの、さきさんの場合、腕や足首の骨折をしてしまうと1ヶ月はほぼ使えません。2ヶ月目くらいから少しずつ使えるようになり、大体3ヶ月目には日常生活に戻れるといいます。 大腿骨骨折の場合は、1ヶ月は寝たきり、2ヶ月目から3ヶ月目には少しずつ生活ができるようになり、4ヶ月目には日常生活を送ることができている…と話していました。