岐阜の聖火リレー「医療者ら元気づけたい」診療放射線技師走る
コロナ禍で働く医療従事者や、感染への不安を抱える人々を元気づけたい――。第1区間・岐阜県中津川市の馬籠地区を走った同市民病院の診療放射線技師、原孝則さん(50)は、そう胸に刻んで聖火をつないだ。 地元の野球少年団のコーチを長年務めた。教え子たちに説いてきたのは、自己実現を図るには自分で何が必要かを考え、努力を続けるということ。自身も仕事の幅を広げようと、約10年かけて働きながら大学に通うなどして39歳の時、保健学の博士号を取得。そうした経験も指導の礎になっている。 【聖火リレー写真速報】今日のランナーは?
「閉塞感漂う社会にメッセージ送りたい」
「身近な自分が走ることで、地元の若い子たちに大きな夢を抱いてもらいたい」。そんな願いを持って聖火ランナーに応募したが、新型コロナの感染拡大で延期に。医療従事者の自分は感染しやすいのではないかと不安が募る中、周囲を見回し、閉塞感が漂う社会に「励ましのメッセージを送りたい」との新たな思いが湧いてきた。 応募した一昨年の11月頃からジョギングなどトレーニングを重ねてきた原さん。この日は教え子の小学生らから声援を受けて走り終えると、同僚の顔も思い浮かべながら「きっと喜んでくれたと思います」と、すがすがしい表情を見せた。