【オリックス】ドラフト6位指名・片山楽生投手「夢追いかけ続け」つかんだプロへの道…新天地へ駆ける
本格的な冬シーズンに突入した北海道。各分野で成果を残したスポーツ選手の中には、来春から活躍の舞台を移す人もいる。「ほっかいどう報知」では「新天地へ駆ける」と題し、新たな挑戦に向けてスタートを切る北海道関連選手を紹介する。第1回は、10月のプロ野球ドラフト会議でオリックスから6位指名を受けた白樺学園出身のNTT東日本・片山楽生投手(22)。指名漏れと大スランプを乗り越えて夢をつかんだ右腕の軌跡に迫る。 **** 決して平坦な道のりではなかった。しかし、片山が「プロ野球選手」という夢をあきらめたことは一度もなかった。 白樺学園ではエースとして2年時に同校初の秋季全道大会優勝、明治神宮大会4強という実績を残した。スカウトからも注目を集め、プロ志望届を提出。ドラフト会議では名前を呼ばれなかったが「『社会人でキャリアアップしていこう』ぐらいの気持ちでドラフトに臨んでいた」と、3年後の指名を目指してNTT東日本に進んだ。 創部以来初の高卒選手として社会人野球屈指の強豪の門を叩いた。1年目から都市対抗、日本選手権でも登板。プロ入りに向けてアピールを続けるも、順風満帆にはいかず。2年目、3年目と調子を崩した。 「何をやってもうまくいかない。思うように投げられない。ここまで(心が)折れかけるような壁は初めて」と、スランプに陥った。ドラフト解禁年となった23年は1球団から調査書が届いたが“2度目”の指名漏れ。「ドラフト解禁とか言われるけど、そことは戦えない。自分自身で精一杯だった」と振り返る。 それでも、前だけを見て歩みを進めた。「年齢的にもあと2、3年は区切りとして(プロを)追いかけ続けたかった。やることはぶれずにやってきたつもり」。今季も決して納得の1年を過ごせたわけではなく、今年のドラフト前に届いた調査書は2年連続で1球団のみ。来年に向けて気持ちを切り替え始めたところで、名前が呼ばれ「正直びっくり」。自身にとって“サプライズ指名”でプロへの扉が開かれた。 大人びた言動が目立っていた右腕は上品な茶色のスーツをビシッと着こなし、さらに成長した姿で6日に母校で行われた指名報告会に出席。ロッテ・河村説人の指名報告を聞く側だった4年前の自身の姿を思い返しながら、後輩たちの前で熱く語った。「夢を追いかけ続ける。諦めないことが今につながっている」。苦難を乗り越え“三度目の正直”でつかんだプロ入り切符。最高峰の舞台での新たな夢に向かって、ようやくスタートラインに立った。 (島山 知房) ◆片山 楽生(かたやま・らいく)2002年10月7日、音更町生まれ。22歳。小学2年時、柳町イーグルスで野球を始める。音更共栄中では3年時の全日本少年軟式野球大会で3位。白樺学園高ではエース、4番として2年時に秋季全道大会優勝。明治神宮大会で4強入りした。177センチ、82キロ。家族は両親と妹。血液型はA
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