ゼリー飲料市場、コロナで活動量減り需要低迷 トップブランド「inゼリー」が考える窮余の策とは?
ゼリー飲料市場は、コロナで人の動きが制限されたことが痛手となり20%弱の落ち込みで推移している。 コロナで大きく失ったのは、ボリュームの大きいスポーツシーンとオフィスワーカーが通勤途中にコンビニなどで購入するビジネスシーン。人の活動量に左右されやすく、トップブランドの「inゼリー」もこの影響をもろに受け、中でも看板アイテムの「エネルギー」が苦戦している。 コロナ終息のめどは立たず、今年1月には緊急事態宣言が再発令されたことで、人の活動量は当面戻りそうにない。 ゼリー飲料はこのまま停滞し続けてしまうのだろうか。
「inゼリー」を担当する森永製菓の榎本浩二健康マーケティング部ブランドマネジャーに訊くと「スポーツや通勤の失ってしまったところを躍起になって取り返すよりも、新しく生まれた飲用シーンや伸長しつつあるシーンを掘り起こしていきたい」との答えが返ってきた。 この考えの下、新たな可能性として期待を寄せるのが、今期(3月期)、全体が厳しい中で善戦している「プロテイン」と「マルチミネラル」の2品。
「プロテイン」は、コロナ以前からプロテイン粉末ブームで伸長傾向にあったが、コロナでその勢いが加速。「在宅時間が長くなることで、体型の変化や体重の増加、筋肉が落ちるといったことへの意識が高まり、プロテインの摂取ニーズが一層高まっている」。 日常使いの「inゼリープロテイン」と本格的なトレーニング向けの「inゼリープロテイン15000」がともに好調で、昨年9月には同2品にプロテインの働きを強めるEルチンを配合して磨きをかけた。 この狙いについては「プロテインを求めるユーザーも細分化されトレーニングに対する知識を持たれるようになっていく中で、タンパク質の量を追求するのではなく、効率的に理想の体に近づけるためにEルチンという抗酸化成分を入れることで差別化を図った」と説明する。 一方、「マルチミネラル」は体調管理ニーズの高まりに対応して伸長している。 これについては「ビタミンはどちらかというと体調を崩したときに、それに対処するものとして摂取されると捉えている。その点、今シーズンはインフルエンザや風邪の罹患者数が少なくビタミンはいまひとつだが、その反面、予防ニーズの高まりでミネラルの動きはいい」とみている。