車いすテニスの小田凱人、パリ・パラリンピック優勝時の感動シーンが「2024年ITFテニス写真オブザイヤー」最優秀賞受賞!<SMASH>
2024年8月、パリ・パラリンピック男子車いすテニス・シングルス決勝。満員に膨れ上がったセンターコートでフルセットの逆転勝利を決めた18歳の小田凱人は、乗っていた車いすの車輪を外し、赤土のコートの上に横たわって肩を震わせ涙を流す…。 【画像】2024年ITFテニス写真オブザイヤーのノミネート作品 日本人はもちろん、世界中の人々を感動の渦に巻き込んだ名場面。その瞬間を捉えた写真がこのほど、ITF(国際テニス連盟)が12月20日に発表した「2024年ITFテニス写真オブザイヤー」の最優秀賞に選ばれた。 感動の瞬間を捉えのはドイツのカメラマン、フランク・モルター氏。同氏には、ITFより賞金3,000ドル(約47万円)が贈られた。 最優秀賞に輝いたモルター氏は「信じられない気持ちです。優勝できるなんて思ってもいませんでした。小田選手が優勝したら仰向けに倒れるかもしれないと思っていましたが、車いすを分解したという事実に驚きました。私が最も驚いたのは、車いすテニス選手の写真が栄冠を獲得したという事実です。これは、スポーツに多大な投資をしている障害を持つアスリートにとって大きな評価であり、私の写真がこのスポーツへの注目を高めることを願っています」とITFを通じてコメントを出している。 写真の選考はITFのデビッド・ハガティ会長、元女子テニス世界1位のガルビネ・ムグルサ氏、そしてテニス写真家のポール・ジマー氏ら審査員によって決定された。 ハガティ会長は「受賞者と最終選考に残った方々にお祝いを申し上げるとともに、コンテストに応募してくれたすべての写真家(アマチュア、プロを問わず)に感謝したい。今年は合計47カ国から数百件の応募がありました。テニスの世界的な守護者として、私たちの役割は、草の根レベルからスポーツのトップレベルまで、テニスの発展と持続可能性を育むことです。ですから、応募された写真の量と多様性を見て、とてもうれしく思いました」と述べている。 そしてムグルサ氏は「優勝した小田凱人選手の写真は、世界中のテニス選手の努力、献身、そしてコミットメントを表しています。本当に感動的な写真であり、最優秀賞に値する素晴らしい作品です」と称えた。 なお、今回のコンテストで2位となったのは、アガット・モニエ (フランス)氏が撮った、ラファエル・ナダルが6 月の全仏オープンで最後のグランドスラム出場を果たし、センターコートを去る際に観客に手を振っている場面。 また3位は、フィオナ・ハミルトン (オーストラリア)氏による、オーストラリアのダーウィンで開催された全国先住民テニスカーニバルでネットの下を這う幼い子どもを捉えた微笑ましいシーンが選ばれている。 構成●スマッシュ編集部