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「おとうちゃん どうして…」子どもたちの残した原爆の詩が、いま問いかけるもの

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BuzzFeed Japan

原爆投下を経験した小学生が書いた、こんな詩がある。「げんしばくだんがおちると ひるがよるになって ひとはおばけになる」(小学3年、坂本はつみ)75年前のあの日、広島や長崎に生きていた子どもたちは、何を見て、何を感じていたのか。生々しい言葉が、いまを生きる私たちの心にも、深く刺さる。【BuzzFeed Japan / 籏智 広太】 写真で振り返る、原爆ドームを取り巻く風景。 「あさだった ばくだんがおち みんなたすけてー といっている いぬもしんでいた いきているいぬは みんなほえている まつの木の下には となりのおじさんが しんでいた」(小学4年、松島愛子)

こうした子どもたちの詩を読み継いできたのが、朗読劇「夏の雲は忘れない」だ。 戦争を知る世代を中心にした女優たち18人が結成した「夏の会」が、2008年の初演から同会を解散する2019年まで、全国各地で演じてきた。 「夏の会」によって読み継がれてきた言葉は、子どもたちの詩に限らない。 家族を失った母親、生徒全員を失った学校長、さらには被爆地に足を踏み入れた米兵の手記、そして被曝し亡くなった子どもたちの最期の声も、ある。 手記や詩は、女優たちが自らの手で、膨大な史料から探し出した。 そして女優たちはそれを、淡々と読み繋いだ。主役は言葉たちであって、自分たちはあくまでそれを「代読」している、として。 「いたといたの中に はさまっている弟、 うなっている。 弟は、僕に 水 水といった。 僕は、くずれている家の中に、 はいるのは、いやといった。 弟は、 だまって そのまま死んでいった。 あの時 僕は 水をくんでやればよかった。」(小学5年、栗栖英雄)

「どんな気持ちだったんだろう」

この夏、「夏の雲は忘れない」の台本が書籍化された。 劇の演出に携わっていた演出家の城田美樹さん(51)は、BuzzFeed Newsの取材に、本に連なる言葉たちを「声に出して読んでもらいたい」と語った。 「あまりにも悲惨で、想像もできないような状況に身に置かれた時に発せられた言葉たちは、からだを通して、できれば声に出して読んでもらいたいと思っています。そうすることで、想像力がかきたてられるんです。どうしてこんなことがと、どんな気持ちだったんだろうと、考える。心が、動くんです」 「そもそも、体験していないことは他人事なんですよね。私もそうでしたけれど、非常に遠いこととしか受け止められない。教科書的に教わったとしても、昔あったことだと終わってしまうことが多い。でも、自分のからだ通すことで、他人事ではなくなる力があると感じているんです」 「げんしばくだんでしんだ おとうちゃん どんなになってしんだのよ。 どうして早く うちにかえらなかったのよ。 こころのやさしい おとうちゃん どうしてわたしをおいて しんだのよ。 おかあちゃんはおとうちゃんの かわりに くみあいにいっている。 おにいちゃんはしんぶん くばりにいっている どうしてひろしまにげんしばくだんが おちたのかわたしにしては わかりません」(小学3年 向井富子)

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