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BTSのオンライン動画が活発化 「早さ」と「定期配信」に重きを置いた強みを考察

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リアルサウンド

 今年2月から日本を全世界40公演以上が予定されていた『BTS/BTS MAP OF THE SOUL』ツアーが新型コロナウィルスのパンデミックにより見通しが立たない状態であるBTS。6月14日にソウルからの生配信コンサートである『BANG BANG CON The Live』が予定されているが、国境を超えた移動が困難になった昨今、今まで以上に活発にオンラインコンテンツを更新している。 【写真】BTSの握手会がハズれて悲しむ、人気YouTuber・ヒカキン  BTSは元々、デビュー前から積極的に動画コンテンツをオンラインで公開し、ファンとの交流を深めてきた。2012年に開設されたYouTubeチャンネルは、現在では3000万人以上登録者数を記録している。一般的なKPOPグループのチャンネルが公開しているMVや振付練習動画、アルバム制作や音楽番組などのビハインドは勿論、FM06.13のようなウェブラジオを模したプログラムや、細かい仕事の未公開や舞台裏映像、メンバーのジョングクが撮影・編集した動画『Golden Closet Film』シリーズなど、膨大な数の動画コンテンツを残している。  新型ウィルスの影響が出始めて以降は、logシリーズという、メンバーの趣味や楽曲制作風景など日常にフォーカスしたいわゆるVLog的なものに加えて、次のアルバム制作風景などもアップされるようになった。直近では6月13日のデビュー記念日に向けたお祝いウィークである「FESTA」の一環として、サイパンでの過去のサマーパッケージ撮影ビハインドや、2018年の『MAMA』の練習動画などがアップロードされたばかりだ。  BTSの動画チャンネルで最も歴史があるのはYouTubeだが、KPOPアイドルのファンにとって欠かせないもう一つのチャンネルは、韓国のNAVERが運営しているV LIVEである。こちらではMVなども公開されているが、主に生配信コンテンツ(実際の生放送ではない場合もあるが、リアルタイムで配信される)がメインの動画サービスで、ニコ生の様にリアルタイムコメントにより視聴者とのコミュニケーションを取ることができる。日本では、NAVER参加のLINEが運営するLINE LIVEと、一部のコンテンツを共有している。2015年に始まったこのサービスにより、新曲リリース瞬間をリアルタイムでファンと共有するプログラムや、コンサート中の世界各地の滞在地からライブ当日夜に生配信をしたり、メンバー個人がそれぞれ独自に生配信をしたりということが可能になり、より世界中のファンたちとリアルタイムで時間を共有することが可能になった。 ・2015年から現在まで続く長寿プログラム  BTSはサービス開始の2015年から『福不福』『防弾歌謡』のようなバラエティ番組をV LIVEで独自に配信している。特に毎週30分のレギュラーバラエティ番組『Run!BTS』は、無料のウェブ配信で毎週コンスタントに世界中のファンが同時に楽しむことができるという点で、ファンとしては興味のモチベーションが持続しやすいという大きな利点があるだろう。世界的人気が拡大した2017年頃から多忙を極めているであろうBTSだが、2015年から現在まで続く長寿プログラムながら「ゆるバラエティ(時々大がかり)」という基本は5年間変わらないこの番組においては、昔から変わらないメンバーの姿を見られるという安心感もあるのではないだろうか。  また、V LIVEは誰でも登録できるYouTubeとは異なり芸能人(アイドル)に特化したサービスのため、字幕がつくのがとても早い。ファンが字幕投稿できるシステムもあり、BTSの場合は作成済みプログラムには少なくとも韓国語・英語・日本語の字幕が予めついているし、生配信動画の場合もログが残されてから1週間もすれば10か国語以上の翻訳がついている。YouTubeよりもこのあたりの動きが早く、特にアルバムリリース後の個人配信では制作の裏話などが聴けたりもするため、BTSに限らず韓国アイドルの「オタ活」において、V LIVEが果たしている役割は大きいと言えるだろう。  メンバーのJINによるモッパン(食事風景を見せる配信)『EAT JIN』のようにどちらのチャンネルにも上がるケースはあるものの、主に撮影済みの動画がYouTube、生配信コンテンツとファン向けバラエティがV LIVEという風に大体の棲み分けがあるBTSの動画配信だが、有料配信については近年リリースされた、BigHit関連の所属アーティスト専用SNS・Weverseの方に移行しつつある。V LIVEには加入者限定の動画や画像コンテンツが見られるアーティストごとの有料会員システムがあるが、BTSのV LIVE有料会員システムは今年終了している。  それに伴い、以前V LIVEで有料配信していた『RUN!BTS』のビハインドや年一回の旅番組『BON VOYAGE』シリーズなどはWeverseでの配信に移行している。以前YouTubeプレミアムで配信されていたドキュメンタリー『BURN THE STAGE』も、続編とも言える『BREAK THE SILENCE』シリーズはWeverseでの有料配信だ。5月に無料配信された過去のコンサート無料配信はYouTubeのチャンネルで行われたが、6月に開催される有料配信コンサートもWeverse経由だ。よりニッチで「ガチのファン向け」である有料コンテンツに関しては、自社の配信システムでの管理へと移行しているようである。  いち早いSNSの活用や、ウェブコンテンツが充実していることも、世界中にファンを拡大している一因とも言われるKPOP。特にその中でも「早さ」「定期配信」に重きを置いたBTSのやり方は「何を撮ってもコンテンツになる」というアイドル特有の強みにマッチしたやり方と言えるだろう。結果的に7年間で残った膨大な無料ウェブコンテンツは、ここ1~2年でファンになった層にとっては、簡単に全てを消化しきれないほどのボリュームがある。  「生配信コンテンツ」の導入により、本来なら人前に出る必要のなかった時間帯やシチュエーションまでもが配信されるようになり、オンとオフの線引きが難しくなったことで、演者側の負担は大きくなっているという問題はあるが、「掘っても掘っても終わりがない」というのはより没入して「ハマる」理由のひとつにもなり得るだろう。このようにして惹きつけたファンを最終的には有料コンテンツに誘導するというやり方は、直に触れることで得られるマネタイズが困難になっている現在の状況においては、事務所側にとっても、ひとつの理想形といえるのではないだろうか。

DJ泡沫

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