韓国で初めて公開された「AI教科書」…個別学習支援とフィードバックを実現
【12月06日 KOREA WAVE】韓国でAIを活用したデジタル教科書(AIDT)が初めて公開された。学生個々の学習進度や弱点をリアルタイムで把握し、適切なフィードバックを提供する「個別最適化学習」の実現が期待されている。 教育省は2日、政府世宗庁舎でAIDTの検定を通過した7つの発行社のうち、希望する2社が参加したデモンストレーションを公開した。今回の公開では、学生がAIチャットボットを活用して文法の質問をしたり、自分の作文を評価したりする様子が示された。また、発音練習や録音機能も備わっており、学生が自分の発音を標準発音と比較するフィードバックを受けられる点も注目を集めた。 AIDTの最大の特徴は「学生別の学習データ分析に基づく個別指導」だ。たとえば、英語の問題を解くと、その正答率や解答時間がリアルタイムで教師のダッシュボードに記録される。AIが学生ごとの弱点を特定し、教師がそれを基に個別課題を与えることが可能だ。 ある発行社の関係者は「従来は教師が手作業で学習プリントを作成し、採点していたが、AIDTを活用すれば、多くの業務が軽減される」と語る。また、教師1人で複数の学生の作文を分析する時間的余裕がなかったこれまでとは異なり、AIが自動でフィードバックを生成し、授業の効率を大幅に向上させるという。 今回のデモでは、学生が例文を読み上げると、AIがその発音をグラフで分析し、正確性を点数で表示する様子も披露された。関係者は「1クラス20~30人を個別に指導するのは難しいが、AIDTを活用すれば各学生に適した発話練習機会を提供できる」と説明した。 AIDTは来年から小学校3・4年生、中学1年生、高校1年生の英語、数学、情報の授業で使用される。一方で、2026年に導入予定だった国語や技術・家庭の教科は開発対象から除外され、社会や科学は2027年からの適用に延期された。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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