「Bling-Bang-Bang-Born」の世界的ヒットは従来と“真逆” Billboard JAPAN運営の分析
国/地域ごとにターゲットを絞り、解像度を上げていくべき
では、日本の音楽の「海外展開」に繋がる鍵は、どこにあるのだろうか? 礒﨑誠二さんは、「Global Japan Songs Excl. Japan」ではなく、国/地域別に日本の楽曲の人気を示した「Japan Songs(国/地域別チャート)」にこそ、注目してほしいと語る。 「どこの国/地域でどんな楽曲が流行っていて、どんな日本の楽曲が定着しているのか。漠然と世界を目指すのではなく、国/地域ごとにターゲットを絞り、解像度を上げていくことが大事です」 「ダンス&ボーカルグループを例にあげると、「Global Japan Songs Excl. Japan」でも上位にランクインしているXGは、韓国よりも東南アジアでプレゼンスが高かったりする。国/地域別に見れば、日本のダンスミュージックが流行りうる場所がどこか、限定されて見えてくるわけですよね」(礒﨑誠二) そういった国/地域ごとの解像度を上げ、より効果的な戦略を考える上での基盤を築くべく、Billboard JAPANは12月4日から「Japan Songs(国/地域別チャート)」に新たに台湾とドイツを追加。今後も拡充していく方針だという。 「同時に、アーティスト側が、海外展開をいかにイメージしているのか、もっと発信してもらえたらいい、とも思っています」 「そうすることで、ファンもより世界進出を意識するようになるのではないか。その結果、ファンダム同士のSNS上でのいざこざなど、新規ファンの参入を妨げるようなこともなくなっていくかもしれません」(礒﨑誠二)
都築陵佑