Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

中国の近視の若年化深刻 電子機器の過度の使用が原因

配信

東方新報

【東方新報】中国の全国「愛眼デー」の6月6日を前に、国家衛生健康委員会は5日、中国の目の健康工作の進展状況について記者会見を行い、2018年の全国児童青少年の近視率が53.6%に上ると発表した。このうち6歳児の近視率は14.5%、小学生は36.0%、中学生は71.6%、高校生はなんと81.0%。児童青年の近視率の高さは中国全体の平均視力低下の主要な原因という。  今年の愛眼デーのテーマは「視覚2020、普通の目の健康に関心をもとう」。2018年は「科学で近視を矯正し、子供の目の健康に関心を持とう」、2019年は「子供たちの目の健康を共に守り、明るい未来を抱かせよう」が続き、 近年の愛眼デーの主要課題はいずれも児童の視力の健康だった。  しかし、国家衛生健康委員会が発表した調査データによれば、児童青少年の近視は一向に改善の傾向がなく、むしろ近視の低年齢化が急激に進んでいる。  科学者たちは近視の三大要因として、環境、遺伝、栄養を挙げている。遺伝の問題は昔と変わらず、栄養は昔に比べてむしろ改善しているとすれば、現在の近視の若年化の最大要因環境だ。  特に中国の青少年についていえば、学業の圧力がおそらく最大の要因だろう。特に最近の学業はパソコン、スマートフォンなど電子機器を過度に使用する傾向がある。  最近の子供は小学校に上がる前から英語、ピアノ、思想訓練などのオンライン教育も流行。新型コロナウイルス感染症の流行中は、学校の授業そのものがオンライン授業を導入するところが増えている。  共青団中央維護青少年検疫部と中国インターネット情報センターが以前に発表した「2019年未成年インターネット使用状況リポート」によれば、中国の未成年のネットユーザーは1.75億人。また「中国児童発展報告(2019) 児童学校外生活状況」報告によれば、児童が日々の学校生活で電子機器を使用している時間は平均43.24分。週末に電子機器を使用する時間はさらに長く平均96.26分。  新華社(Xinhua)は、ある6歳の女児の例を報じていたが、幼稚園児でありながら毎週10時間のオンライン授業を受けていたという。  四川大学華西医院(West China Hospital Sichuan University)眼視光学部の劉隴黔(Liu Longqian)主任は新華社に対し「多くの児童が、目が完全に成長していないうちから酷使することで近視を発生しており、こうした近視から、網膜剝離や黄斑変性など眼底の病変を引き起こし、ひどい場合失明もありうる」と警告を発している。  吉林大学白求恩第一医院(The First Bethune Hospital of Jiling University)眼科の任華(Ren Hua)副主任も「電子機器の長時間使用と戸外活動時間の大幅な減少が児童の近視の急増の背景にある」と指摘。「就学前の児童は目の視軸が比較的短く、角膜の湾曲度が比較的大きい。このため、電子機器の過度の使用は、目とスクリーンの距離が比較的近くなり、長い時間、スクリーンを見つめ続けることで疲労しやすくなり、頻繁に瞬(まばた)きすることで、視力を遠視状態にしている時間が短くなり、近視になりやすい」という。  今時の子供たちは、学業の圧力が高く、戸外の活動が少なく、睡眠時間も少ない。それが体力の低下を招いていることも要因の一つだという。  専門家によれば、戸外の運動が十分であるだけで、近視発生率は低下するという。  残念なのは、青少年の近視を予防したいと言いながら、学校も保護者も、子供に戸外で運動させることを時間の浪費だと考えていることだろう。勉強時間を減らすくらいなら、大人になって視力矯正手術などで目を治せばよい、と考える保護者も多いようだ。だが、その認識は間違いだと医師たちは指摘する。ひどい近視はレーシック手術では治らない場合もあるし、そもそも近視での生活が子供たちの学業や生活の質に大きな影響を与えることを思えば、予防をもっと重視すべきだという。  中国教育部などが打ち出した「青少年近視総合予防コントロール実施方案」によれば、2030年までに小学生の近視率を38%以下に、中学生の近視率を60%以下に、広告性の近視率を70%以下に引き下げることを目標としている。  この目標を達成するには、教育に対する「近視眼的」な取り組みを強制し、学業の不合理な負担を軽減することが重要だろう。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。

【関連記事】