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パレルモ女子オープンがツアーレベルのテニス復帰で模範を示す [テニス]

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 新型コロナウイルス(COVID-19)の検査で陽性と診断された唯一の選手は、会場に足を踏み入れることなく棄権した。また別の選手は“バブル”と呼ばれる大会の安全地帯を抜け出し、街中の噴水前でポーズをとった自撮り写真をソーシャルメディアに投稿したことで非難された。 31°パレルモ女子オープン|PHOTOアルバム  元フレンチ・オープン準優勝者のサラ・エラーニ(イタリア)と予選勝者で19歳のカーヤ・ユバン(スロベニア)は勝利のあと、観客席の子供たちにリストバンドやサンバイザーを投げたことで主審から注意を受けた。  地元の主催者とWTAツアーは約5ヵ月ぶりのツアーレベルの公式戦となった今週のパレルモ女子オープン(WTAインターナショナル/クレーコート)を開催するに当たり、厳格な健康管理のプロトコルを遵守することについて警戒を怠らなかった。 「すべてのヨーロッパの住民がこんな風にチェックされていたなら、コロナウイルスはもはや問題ではなくなることでしょう」と大会ディレクターのオリビエロ・パルマ氏は金曜日の準々決勝前にAP通信との電話インタビューで語った。 「我々はこの大会を通し、活動を再開することは可能だということを見せているのです」とパルマ氏は続けた。「この経験はきっと、他のどの場所でも繰り返すことができると思います。重要なのは、プロトコルを非常に注意深く遵守することです」。  そのプロトコルはプレーヤーとスタッフに対し、到着と同時にウイルス検査を受け、それを4日ごとに繰り返すことを要求する。またプレーヤーは試合中、自分のタオルを自分だけで扱う。コートにいるボールパーソンは3人のみで、全員が18歳以上だ。選手はコートに入るときと退出するときにマスクを着用し、すべてのメディアインタビューはリモートのビデオ会見で行われる。 「間違いなく、いつもと勝手が違っているわ」と第4シードのアネット・コンタベイト(エストニア)はコメントした。「文字通り、私はコートに行くとき以外にはホテルを離れていない。…それが現在の状況が要求していることなのよ」。  スケールは遥かに大きくなるが、選手たちは来たるUSオープンでも似たような安全地帯の雰囲気に遭遇するだろう。USオープンは8月31日から始まり、その前にはニューヨークの同じ会場でウォームアップに最適な前哨戦が行われる。 「アメリカでは、これよりもずっと長くなるわ」とコンタベイトはバブル内にこもった生活について語った。「重要なのは何かやることを見つけ、可能な限り自分で楽しむことね」。  ツアー再開後の初戦であるパレルモは、続く大会のためのテストの役割を果たしている。例えばすでに、シャワーに関するプロトコルに変更が施された。  初めのうちはプレーヤーやコーチがシャワーや風呂を使えるのはホテルでのみと言われていたが、主催者は汗だくの選手を大会のトランスポーテーションの車に乗せるのは不健康かつ不衛生であると気づいたため迅速にルールを変えた。  プレーヤーとコーチは今、会場内にある別々のロッカールームでシャワーを浴びることができる。どのロッカールームにも、同時に入れるのは2人までとなる。 「当然のことだけど、1日24時間ずっと警官が背後をうろついている訳ではないわ。そんなことは不可能だから」とエラーニは言った。「でももし皆が責任感ある行動を取って状況にうまく対処できれば、私たちは前に進むことができる」。  エラーニはまた、「もし皆が非常識なことをしたり自分がやりたいことを何でもし始めたら、いつ問題が起こってもおかしくないわ」と言い添えた。  6月に世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)と他の数人のプレーヤーがセルビアとクロアチアで行われた非公式大会でプレーしたあと、ウイルス検査で陽性と判定された。その大会ではソーシャルディスタンスを取らず、ウイルス対策を何もしていなかった。 「再開後初の公式大会として、パレルモは素晴らしい仕事をしたわ。安全対策がしっかり取られている」とジャスミン・パオリーニ(イタリア)は評価した。「他の大会でも問題が発生することなく、こんなふうに続けていけるよう願いましょう」。  週末の予選初日に名前を明かされていないプレーヤー1名が検査で陽性を示したとき、その選手はすぐに無症状の感染者のために指定された施設に移された。それから2度目の検査でやはり陽性反応を示すと、彼女は家に送り返された。 「すぐに見つかりました。つまり検査は機能し、プロトコルは正しいということです」とパルマ氏は胸を張った。「すぐには発見できず、あとで見つかったなら私は心配していたと思います。それが検査をする上で重要なことなのです。被害が発生する前に陽性者を遮り、中に入ってこないようにするために検査があるのです」。  観客の数が1日300人に制限された中、リストバンドやサンバイザーといった私物をスタンドに投げ込んでしまったユバンとエラーニは審判に注意を受けた。 「彼らの懸念は分かるけど、本能的にやってしまったの」とユバンは第2シードのマルケタ・ボンドルソバ(チェコ)に対して番狂わせを演じたあとに弁明した。「でも今後は、多分もうやらないわ」。  次のヨーロッパでのWTAツアー大会は、来週にチェコのプラハで開催される。 「プラハに出場する選手の大部分は、パレルモでプレーしてから向かいます」とパルマ氏は言った。「彼女たちは陰性だと確認済みなので、プラハは有利なスタートを切れるはずです」。(APライター◎アンドリュー・ダンプ/構成◎テニスマガジン)

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