百条委が兵庫県幹部の尋問映像公開、片山前副知事の「告発者の私的情報発言」は音声を消して対応
SNSでは「都合の悪い部分を隠蔽」と批判
兵庫県の斎藤元彦知事の内部告発問題を調査する県議会の百条委員会は22日、10月24、25両日に非公開で行われた県幹部らへの証人尋問の録画映像をユーチューブで公開した。知事選への影響を避けるため、選挙後に公開する予定で録画されていた。
2日間の証人尋問には、計11人が出頭。このうち、片山安孝前副知事や県幹部ら計6人分、計7時間以上の映像が公開された。
10月25日の証人尋問では、告発者の男性職員(7月に死亡)が公用パソコンに保管していたとされる私的情報について、片山氏が発言を続けようとし、奥谷謙一委員長が制して一時中断する場面があった。録画映像では、片山氏のこの時の証言は音声が一部消されていた。
百条委は調査と直接関係のない内容は扱わないことを決めている。証人尋問の再開後、奥谷氏は「片山氏から不規則発言があり、尋問を行うことが不可能と判断した」と発言。ほかの委員から異議は出なかった。
知事選の期間中、この消された部分とされる音声が流出。立候補した政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏は、告発者は私的情報が漏れることを恐れて自殺した可能性が高いのに、百条委がそれを隠したと主張した。SNS上では「(百条委は)都合の悪い部分を隠している」などの投稿が相次いだ。告発者は自殺したとみられるが、その理由はわかっていない。
奥谷氏は今月18日の記者会見で、「(片山氏が)調査に関係ないプライバシー情報を話し始めたので、プライバシーに最大限配慮する県の情報公開条例に基づき、制止した」と説明。「隠蔽(いんぺい)しているというのは、明らかなデマだ」と述べた。
また、斎藤氏の側近だった小橋浩一前理事は10月25日の証人尋問で、斎藤氏が告発内容を「うそ八百」などと指摘した3月27日の記者会見の直後に、第三者委員会による調査を進言したと証言。「(斎藤氏は)渋い顔をされ、『どうかな』と。受け入れられなかった」と述べた。