初のB1で平均11.5点をマークするも「安定した活躍ができないのは致命的」(Bリーグ・茨城ロボッツ 福澤晃平)
平尾キャプテンが復帰し、「大反撃」を目指した広島戦だったが ──
クリスマスゲームの信州ブレイブウォリアーズ戦で2連勝したが、それはアウェーでの出来事だった。その後の茨城ロボッツは、昨年末から続くホーム5連戦で勝利する姿をファンに見せることができずにいる。1月22日・23日の広島ドラゴンフライズ戦へ向けたキャッチコピーは「大反撃」だった。12月12日に勝利を飾った島根スサノオマジック戦以降、ケガにより出場できていなかった平尾充庸が復帰し、その期待も高まる。 初戦は、残り1分35秒で福澤晃平が3ポイントシュートを決め、75-75と同点とする。続くプレーで福澤が逆転シュートを決めた。シーソーゲームが続く中、残り2秒でラストシュートを決めたのは広島のニック・メイヨであり、79-81で接戦を落とす。復帰したキャプテンの平尾は「チームを勝たせたかった」と悔やむとともに、「ロボッツらしい試合はできた」と手応えもあった。グレスマンヘッドコーチは、最後の場面ではなく「もっと集中して戦うことができれば、10点差をつけることができた」と第2クォーターにフォーカスする。残り3分を切って、38-30としていたリードを守り切れなかった点を敗因として挙げた。 2戦目も同じく、第2クォーターに茨城が12点リードする。しかし、その後のオフェンスで苦戦し、ガード陣が広島のディフェンスにつかまり、35-36と逆転されて前半を終えた。第3クォーター、茨城は9点しか奪えず、28失点を与えてしまう。「相手にビッグクォーターを作られてしまったのが敗因」と福澤は言い、修正が効かないまま30点差をつけられ、60-90でホーム5連敗を喫した。大反撃の狼煙を上げることはできなかった。
選手自身が変わらなければならない
第3クォーター、茨城は10本の3ポイントシュートを放つも1本しか決められず、9点に終わる。ポイントガードとシューターを兼任する福澤は、「ペイントタッチが少なかった」と言及し、相手のディフェンスを収縮させる動きがないまま、確率の低いシュートを打たされてしまった。「意図して3ポイントシュートを量産しようしたわけではなかったのだが…」というリチャード・グレスマンヘッドコーチの見解は以下の通りである。 「広島のような選手が揃っており、高さがあって激しくディフェンスしてくるチームに対しては、自然に3ポイントシュートが多くなる状況が起きてしまった。広島戦だけではなく、3ポイントシュートを決めきれないところは今の課題点でもある」 はじめてB1の舞台に立つ福澤は平均11.5点(※1月23日現在)をマークし、B2だった昨シーズンの10.7点より上乗せしている。12月15日のレバンガ北海道戦では30点、前節のアルバルク東京戦は21点など、B1でも戦えることを証明してきた。しかし、広島戦のようにB1の洗礼を受けて、その形を潜めてしまう試合も少なくはない。 「全然得点が獲れなかったり、自分の思ったようなプレーができなかったり、今日のような試合をもっと減らしていかなければならないですし、安定した活躍ができないのは致命的です。相手のディフェンスを見ながらどう攻めれば良いか、もっと楽にボールをまわりに散らすとかもっと良い判断ができるようにしていかなければ簡単に守られてしまいます。全く良いプレーができない試合を、今後は減らしていかなければならないです」 グレスマンヘッドコーチは「危機感の足りなさ」を指摘し、福澤もチームを上向かせるために選手自身が変わらなければならないことは分かっている。 「今どこでやられているか、自分たちのオフェンスのどこが悪いかなどコート内で起きていることを自分たちで理解し、打破していかなければならないです。タイムアウトの数も限られているので、試合に出ている5人がもっと話して改善していかなければなりません。1~2回連続で同じミスをしたら、その修正点をもっと中にいる選手で話して変えていかないと、今日みたいに何度も同じところでやられて大差で負けてしまいます。そうならないためにも、選手同士でもっと考えていかなければならないです」 B2で勝利を重ね、ファンと喜ぶ機会が多かった昨シーズンとは打って変わり、昇格したB1では苦しい戦いを強いられるのは広島も同じだった。昨シーズンは9勝(46敗)しかできなかったが、今シーズンは見違えるような活躍で西地区4位につけている。それは経験なのか、財力なのか、はたまた違う要因なのか、戦いながら茨城にあったプラスアルファを見つけていくしかない。次戦は、ともに昇格を果たした群馬クレインサンダースとB1での初対戦となる。昨季レギュラーシーズンでは1度も勝てなかった群馬を相手に一矢報いることができれば、ふたたび大反撃の突破口が開くかもしれない。 2連勝に安堵する広島のカイル・ミリングヘッドコーチは、次戦ホームに迎える古巣の横浜ビー・コルセアーズ戦を心待ちにしていた。 「コーチとして日本のキャリアをスタートさせた横浜であり、変わらずにいるスタッフや選手も多く、いろんな話をしたいし、再会が楽しみでしかない。しかし、ゲームがはじまればお互いに激しいバトルになると思うので、集中して勝ちにいきたい」
泉誠一