Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

甲子園消えた最後の夏、バラバラの思いが再結集 「思い出作りにしない」

配信

西日本スポーツ

 消え去った甲子園という夢舞台にさまざまな思いを抱きながら、球児たちは再び背番号を背負った。4日開幕した「がんばれ福岡2020 福岡地区高校野球大会」を通して、コロナ禍の苦境を乗り越え、特別な高校最後の夏に臨む3年生や支える周囲の声を拾った。 【一覧】「がんばれ福岡2020」 福岡地区トーナメント組み合わせ  梅雨空に球音が響く福岡県古賀市のグラウンド。筑紫中央は福岡工との初戦に臨み、0-8で敗れた。ベンチ入りした3年生9人全員が出場。2安打を放った佐藤駿太郎は「甲子園はないけど、仲間と野球できる時間は楽しかった」と汗をぬぐった。  3年生はマネジャー2人を含め16人。休校中は時折、公園に7、8人ほど集まってキャッチボールやノックをした。主将の大島隆乃介は「先が見えない不安だらけだった」と打ち明ける。県の独自大会は中止決定から一転、開催が決まるなど戸惑いが大きかった。2人は受験勉強に専念し、グラウンドを離れた。多くが気持ちを整理できないでいた。  そんな彼らの背中を押したのが親やOBだった。保護者会がエールを送り、県内にいた1期上の先輩たちは現チームとのOB戦を開いてくれた。半数ほどが練習をやめていたが、1人、2人とグラウンドへ。今月中旬の試験後は、練習を休んでいる3年生3人もチームに戻る。初戦に駆けつけた保護者会長の杉本秀昭さん(47)は「楽しそうな姿を見られてうれしい」とうなずいた。    ◆   ◆  「本気で戦う。3年生の思い出作りにはしない」。独自大会開催の決定後、福岡西陵の長野凱起監督(25)は、3年間の高校野球を今大会にぶつけるよう部員に伝えた。  マネジャーを含め12人の3年生が入学した年に自らも赴任し、昨年監督に就任。互いに仲が良く、遠慮せずに何でも言える関係が自慢のチームだ。自分たちで解決策を考えることを徹底してきた。  コロナ禍で部員の野球や練習に対する意識が維持できるか心配だった。だが「できる限り、最後の最後までこの仲間たちと戦いたい」と、最終学年を迎えた全員が「仲間との夏」を選んだ。  迎えた初戦の玄洋戦は、11-1で勝利した。長野監督は「このチームにとっての公式戦初勝利を挙げられてほっとした」。主将の中村有希は「負けられない、とチーム一丸になった」と力を込めた。 (岩崎さやか、郷達也)

西日本スポーツ

【関連記事】