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強硬策裏目、総務省に痛手 泉佐野市を指定へ ふるさと納税訴訟

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時事通信

 ふるさと納税をめぐる最高裁判決で、国が逆転敗訴した。  法施行前に多額の寄付を集めたのを理由に、大阪府泉佐野市を新制度から除外する判断を疑問視する声は当初からあっただけに、強硬策が裏目に出た総務省には痛手となった。  「自治体間の健全な競争により地域活性化に貢献するものであり、その枠組みは今後も変わらない」。総務相時代に制度創設を主導した菅義偉官房長官は30日、判決を受けてこう語った。  豪華返礼品による競争過熱を受け、総務省は是正を求める通知を相次いで発出。2019年6月の法改正で基準を守る自治体のみ参加できる新制度に移行した際、法施行前の寄付募集を問題視して、泉佐野市などを不指定にした。  国の第三者機関「国地方係争処理委員会」は同9月、過去の行為だけを理由に市を除外するのは違法の恐れがあると再検討を勧告したにもかかわらず総務省は判断を維持。政府高官は「市を外さないと制度を正常化できなかった」と強調する。  最高裁も市の手法を全面的に認めたわけではない。ギフト券を返礼品に上乗せするキャンペーンなどで18年度に約497億円を集めたことについて判決は「社会通念上節度を欠いていた」と指摘。林景一裁判官は補足意見で「眉をひそめざるを得ない」と非難した。  それでも最高裁は、法施行前の募集実績を基準にした告示は「法の委任の範囲を逸脱した違法なものだ」と指摘。自治体に不利益を生じさせる基準を総務相の裁量に委ねるのは適当ではないとした。  2000年の地方分権一括法で、国と地方の関係は「上下・主従」から「対等・協力」に転換。省庁が自治体に出す通知は法的拘束力のない「技術的な助言」となった。市は判決後、通知に従わなかったことを不指定の理由にしたことに「地方分権改革の成果を覆す暴挙」と厳しく批判した。  同法施行から20年たっても国と地方の関係は手探りのままだ。総務省幹部は「今後はあらゆる規制を法律で定めないといけなくなる」と語る。  同省は除外判断を撤回し、市の参加を認める手続きに入る。不適切な方法で多額の寄付を集めたとして、同様に不指定とした静岡県小山町、和歌山県高野町、佐賀県みやき町の3町の扱いも検討。判決内容を精査し、基準を定めた告示なども見直す。 

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