新幹線の「窓側のコンセント」を通路側の人が使っていた! コンセントは「窓側席の特権」じゃないの? 利用にルールはあるの?
新幹線で旅をしているとき、となりの席の人が自分の座席のコンセントを使い始めたらどう感じますか? 窓側の座席のみにコンセントが設置されている新幹線では、「コンセント利用は窓側席の特権じゃないの?」と思う人もいるかもしれません。 SNSでも「新幹線のコンセントは誰のものか」という議論が盛り上がりを見せているようです。 新幹線のコンセントには利用権があるものなのかを、スマホの充電にかかる電気代や利用を許可されていないコンセントを使った場合の問題点と一緒に考えていきます。 ▼新幹線で1人で「2席分」の購入はNGなの? 規則を確認
窓側のコンセントはみんなのもの! 窓側席に優先権があるわけではない
窓側の足元に設置されたコンセントの利用に関して、JR各社が公式Webサイトなどで明確な見解を示しているわけではありません こういった話題が出るたびに、「窓側席のコンセントに使用権は設けておらず、譲り合って使ってほしい」という見解がJR公式のものとして紹介されています。 東海道・山陽・九州・西九州新幹線の特大荷物スペースは、特定の座席を予約することで利用できるというルールがありますが、コンセントに関してはこのような明確なルールが設定されていません。 したがって、窓側の席を指定しても、必ずしもコンセントが使えるとは限らない点に注意が必要です。長時間の旅になるようなら、モバイルバッテリーを持参したほうが良いでしょう。 なお、新幹線の車両によってコンセントの設置状況は異なります。例えば東海道新幹線の場合は、N700S系車両には全席コンセントが設置されていますが、N700系やN700A系車両は窓側と最前列・最後列にしかコンセントがない(グリーン車には全席設置)といった具合です。 東海道新幹線の場合は、公式のウェブサイトに「N700S車両で毎日運行する予定の列車」の一覧を公開しています。確実にコンセントを使いたい人は、N700S車両で運行する新幹線を狙って予約するのがおすすめです。
列車内にあるコンセントは誰でも自由に使える?
新幹線内の座席のコンセントは、基本的にはスマホやノートパソコンなどの充電に自由に使えます。しかし、電車内の全てのコンセントが自由に使えるわけではありません。 例えば、在来線車両に設置されている業務用コンセントは、乗客の使用が禁止されています。2022年10月に女性2人が電車内の業務用コンセントを無断利用したとして駅員に注意される様子がSNSなどで拡散され、話題となりました。この問題について、JR東日本は「電車内の業務用コンセントの使用しないようお願いしています」という見解を示したようです。 業務用コンセントに限らず、許可されていないコンセントを使用すると、窃盗罪が成立し罰せられる可能性があります。窃盗罪とは刑法第235条で規定された、他人の「財物」を窃取する行為のことです。 この「財物」に当たるものは物理的な品物だけに限定されておらず、刑法上「電気は財物として扱われる」と明記されています。 つまり、電気を盗む行為も窃盗に該当し、「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」という罰則を科せられる可能性があるのです。 1回のスマホの充電にかかる電気代は1円未満と言われています。それでも、コンセントの無断使用は犯罪行為に該当する可能性があるため注意が必要です。
【関連記事】
- ◆新幹線の「窓側指定席」を取っていたのに、子連れに「席替わってください」と言われました…。正直嫌なのですが、座席交換は問題ないのでしょうか?
- ◆新幹線の「自由席」に座れず、約3時間「立ちっぱなし」でした。座っている人と同じ料金を払っているのに「不公平」ではありませんか? 旅行の前に疲れてしまいました…
- ◆新幹線の予約していた「特大荷物」スペースに「ベビーカーを置きたい」と言われました…譲る必要がありますか?
- ◆「大型スーツケース」を新幹線に持ち込んだら「荷物代」を取られた! いつからこうなったの? 新幹線の持ち込みルールを解説
- ◆お盆の新幹線は「全席指定」って本当ですか? 指定席の代金がもったいないので「自由席券」が良いのですが、座ることはできませんか? デッキに立つしかないのでしょうか…?