料理家の中川たまさんが選ぶ、9つのナチュラル調味料。
ゆうき市場の洗双糖(風水プロジェクト)
種子島産のサトウキビから作られた粗糖。上白糖やグラニュー糖より精製度合いが低く、甘い蜜のような香り。「甘さだけが前面に出るのではなく、しっかりとしたコクの中に優しい甘さを感じられるのが魅力。茶色い砂糖でも仕上がりの色がきれい」。
有機赤ワインビネガー(グエルゾーニ)
自家栽培の有機ぶどうを100%使ったイタリア産の赤ワインビネガー。酸化防止剤不使用。「赤ワインビネガーのやや強めの酸味が好きでよく使いますが、ツンとくる刺激がない優しい酸味がいい。ドレッシングやマリネなどに使うと豊かなぶどうの香りが際立ちます。炭酸水で割ってドリンクにも」。
米油(ボーソー油脂)
玄米を精米する際に出る米糠を使用した国産米油。風味にクセがなく、料理やスイーツなど万能に使える。「仕上がりが軽く、餃子などがカリッと焼けるのがいい。油特有のにおいが少ないので、お菓子やドレッシングに使っても味を邪魔しません。スーパーで手軽に買えること、ボトルサイズが豊富なのも魅力です」。
アロマティコ(マリチャ)
熟した新鮮な実だけを使い、収穫後24時間以内に製造されるマレーシア産のブラックペッパー。爽やかなスパイシーさと果実を思わせるほのかな甘さ、華やかなアロマが魅力。「とにかく香り高く、仕上げに使うと味をきゅっと引き締めてくれます。フルーツにかけるのも好きで、ひと振りで味が際立ちます」。
福来純 純米料理酒(白扇酒造)
岐阜県産の米を主原料に、職人が手作業で育てた米麹を使い、蔵元伝承の製法「もち米四段仕込み」で仕込んだ料理酒は、深みのあるコクと甘みをもたらす。「飲用の清酒に比べ、旨みが強いのが魅力。料理酒専用の米麹を作るところから手がけているのは、さすが老舗の酒造です。肉や魚の臭みをしっかり取りつつ、素材の味を引き立ててくれます」。
撮影・中島慶子(調味料) 文・小林百合子
『クロワッサン』1117号より ※価格は取材時のものです。
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