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アスリートができること。注目の女子サッカー選手、長谷川唯が語る今と未来「サッカーができる日を楽しみに、今はがまん」

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ウォーカープラス

世界中の人の生活様式を変えた新型コロナウイルス。日本でも緊急事態宣言は解除されたものの、外出を自粛、制限すべき日々は続いている。 【写真】シューティング系のゲームが好きと笑顔で話す長谷川唯選手 そんな中、多くのアスリートが新しい動きを見せている。アスリートのマネジメント事業を中心に活動する株式会社UDN SPORTSでは、5月に「#つなぐ」プロジェクトをスタート。 日本全国の学童や医療従事者、各選手の縁のある地域の人へマスク20万枚とUDN Foundation の活動の証であるリストバンドと選手のメッセージが入ったレターを配布し、選手が出演するコンセプトムービーや選手からのメッセージムービーを展開。この活動にも加わった、女子サッカーの長谷川唯選手にインタビュー。今の想いを聞いた。 ――シーズン前に想定していたことを教えてください。 【長谷川唯】ここまで2シーズン連続ですべてのタイトルを取れていて、今シーズンもいいイメージを持っていました。選手も何人か変わり、どういう変化が出るのかなと思っていました。クラブと代表でモチベーションに違いがあるわけではないんですが、チームでいいプレーをしなければ代表にも選ばれないので、大前提として、まずはチームでしっかり結果を出したいと考えていました。 ――今年もリーグ戦優勝の自信はありましたか? 【長谷川唯】ここ2シーズンですべてのタイトルを取ってきましたが、決して勝つのが当たり前ではありませんでした。苦しい試合もありましたが、毎試合次の試合で一つひとつの課題に取り組んだ結果が優勝に繋がりました。今年はシステム変更もあったので、チーム全員が「絶対また優勝できる」という自信を持っていたわけではないと思います。でも、あくまで目標は優勝で、目の前の一試合一試合に勝つという気持ちは変わりませんでした。そういう意味ではどちらかというと「自信はない」と答えたほうが気持ち的には近いかもしれません。 ーー代表のアメリカ遠征は3戦3敗と結果が出ませんでしたが、さまざまな評価が聞かれることについてどう感じていますか? 【長谷川唯】この時期の代表の試合は難しくなってしまうというのはあったと思います。日本はオフシーズンで、対戦相手のチームはオンシーズン。コンディションを言い訳にするわけではないのですが、コンディションがもう少し上がったときにどれくらいやれるのかということを感じるには、いいタイミングでいい相手、強豪と試合ができたという気持ちはあります。私はケガで途中離脱してしまいましたけど、初戦のスペイン戦は、日本と似たようなプレースタイルでもあるので、相手のプレーで参考になる部分がありました。ピッチの中でそれを経験できなかったのは残念ですが、自分がやらなきゃいけないプレーを間近で見ることができて、いい経験になりました。 ーー今年の個人の目標はどんなことを考えていましたか? 【長谷川唯】昨年ワールドカップの時期にけがをしてしまい、いいコンディションで大会に臨めませんでした。その分、今年の東京オリンピックはいい形で臨みたいという思いも強く、体をしっかり作っていこうと考えていました。今は試合がないので、普段できないようなウエイトトレーニングを週に2、3回できるということをポジティブに考えています。予定していたプランとは違いますが、こういう状況でもまだまだ成長できると感じています。 ーー新型コロナウイルスの影響でリーグ戦が中断になってしまい、東京五輪も延期となりました。延期が決まったときの心境をお聞かせください。 【長谷川唯】状況が状況だったので延期の覚悟はできていました。延期が決まったときは、もう次に向けてすぐ気持ちを切り替えられました。もちろん本当に楽しみにしていたので、やりたかった気持ちもありました。でもトレーニングできる時間が伸びたので、自分がまだまだパワーアップする時間があると考えています。ウエイトトレーニングで、あたりをただ強くするというのではなく、体の使い方や、一瞬のスピードや加速、そういったところにつながってきます。2、3年前から筋力トレーニングを増やしていて、自分でもスピードの変化に気づけるほどになっています。でも、海外の選手に比べたらまだまだスピードも劣るのであたりの強さと一緒にもっと上げていきたいです。 ーー今、代表チームは思うような結果が出ていないなかで延期になったのはポジティブな面もありますか? 【長谷川唯】今は絶対的な世界王者とはいえない状況なので、そういう意味ではトップにたどり着くために、日本にとって時間があるのはいいこともあると思います。 ーー緊急事態宣言が出て自粛で家にいる時間が長くなったと思いますが、どういうことを考えましたか。 【長谷川唯】まず、最初に新型コロナウイルスの話が出てきたときに、サッカーよりも自分のおじいちゃんやおばあちゃんのことを最初に考えました。今はサッカーができない悔しい思いを、次にぶつければいいという気持ちでいます。 ーー縄跳びを使ったリフティング動画などをあげていましたが、以前から工夫された自主トレをしていましたか? 【長谷川唯】今まではそういったことはやっていませんでした。ウエイトトレーニングなど他のトレーニングをやったあとでも時間がたくさんあったのと、SNSを見るとリフティングの技をあげている選手が多くいたので、自分もなにか違うことをやってみようと思って始めました。縄跳びは以前から負荷をかけられるトレーニングなのでやっていました。今回広い場所でトレーニングできなくなったので、縄跳びをより多くやろうというのもありました。3、4年前にもオフ期間のときに一度縄跳びの動画をあげたことがあります。もともと地元の小学校で縄跳びが盛んだったので、それも関係しているのかなと思います。 ーー動画を見ているとかなり楽しくできそうなトレーニングだなと感じました。 【長谷川唯】最初はどのタイミングで縄を回せばいいかなど、難しかったのですが、うまく行かなくても楽しくできるトレーニングでした。そういう意味ではいろいろな人におすすめできます。リフティングの技などは、できないと楽しくなくなっちゃうこともあると思うんですが、このトレーニングは失敗しても楽しくできるんですよね。変な転び方や、変な引っ掛かり方をすると、もうそれだけで面白くなってしまうので、本当におすすめできます(笑)。 ーー時間ができて、サッカー以外にも取り組める時間が増えたんじゃないかと思うのですが、いかがですか。 【長谷川唯】英語の勉強もしています。チームで英会話の機会があったので、それを今は週一回オンラインでやっています。加えて単語の勉強もしています。 ーー真面目ですね。逆に自堕落になるような時間はないのでしょうか。 【長谷川唯】リラックスするためにゲームをやったり海外ドラマを見たりすることもあります。今おすすめの海外ドラマは「ペーパーハウス」です。最近見始めたばかりなのですが、もうほとんど見終わっています(笑)。 ーーゲームはどういったのをやるのですか。 【長谷川唯】シューティング系ですね。 ーーいわゆるバトルロワイヤル系ですか? 【長谷川唯】もともと「荒野行動」をやっていて、その後「PUBG」を少しやっていました。自粛期間になるまでしばらくやっていなかったのですが、また時間ができたので「荒野行動」に戻りました(笑)。 ーー選手同士でもやることはありますか? 【長谷川唯】あんまり選手でやっている人はいないですね。お兄ちゃんに誘われてやったりすることが多いので友達はあまりいません(笑)。 ーー知らない人とも音声つないだりする派ですか? 【長谷川唯】いや、知らない人と音声はなしでやりますね。 ーー腕前はどうですか? 【長谷川唯】普通だと思います。めちゃめちゃうまいというわけでもなく、下手というわけでもないと思います。代表に合流したときは、岩渕真奈選手とやることもあります(笑)。普段はあまり時間がなくて、もともと代表にいったときにしかやっていない感じでした。やり始めると結構すぐ時間が立ってしまいますよね(笑)。 ーー『♯つなぐプロジェクト』に参加されていますが、どんなことをされていますか。 【長谷川唯】自分の出身地にマスクなどを送らせてもらいました。それに加えて自分は小さいお子さんとオンラインでトークをしたりしています。いろいろな質問に答えながら関わっています。このプロジェクトは人のためという意味もあると思うのですが、私にとってはとても自分のためにもなっていて、いろいろなことを感じられるいい機会になっています。 ーー自分のためになったというのは、具体的にどんなところでしょうか。 【長谷川唯】普段はあまりそういう機会がないので、子供たちからこんなに積極的にたくさん質問がくるというのが驚きでした。あんなにみんなが『聞きたい、聞きたい!』って感じになるとは思っていませんでした。自分では『そんなに私に質問したいことなんてあるのかな』って思っていたので。でも積極的に質問してくれる子供たちを目の当たりにして、サッカー選手というのは、本当に責任があるんだと改めて感じることができました。今までも女子サッカーのため、チームのため、代表のために戦っていましたが、試合だけではなく他の活動でも、もっと自分は役に立たなきゃいけない立場にいるんだということを改めて知ることができましたね。自分が子供のころは選手に質問できるというのはありませんでしたが、今そういうこともできる時代なので、なるべく子供たちの役に立ちたいと強く思いました。またやりたいなと思っています。 ーー他の方のインスタライブはご覧になりましたか? 【長谷川唯】柴崎岳選手のインスタライブが印象的でした。女子サッカーについても多く話してくれたのもあるのですが、言葉にとても説得力があるんですよね。自分のことだけじゃなくて、女子サッカーやいろいろなテーマについて考えてくれていることを知ることができました。あとは桃田賢斗選手のインスタライブがおもしろかったです。いろいろな方のインスタライブに積極的にコメントしていて場が和みました(笑)。聞いているだけで楽しくなります。 ーー海外ではすでにリーグ戦が再開されているところもありますが、再開についいてどう考えていますか? 【長谷川唯】日本は海外に比べて慎重ですが、それは逆に日本のいいところかなと思います。SNSを通じていろいろなファンの方から試合を見たいと言ってもらうことがあって、そういった意見を知ることができました。この状況下で、日本はスポーツを始めるのに慎重ですが、それも日本の特徴というか、良さかもしれないなと、みんなで考えていくことがとても大事だと感じています。今はみんながやりたいことをがまんしているときだと思います。私はまたみなさんの前でサッカーができることを楽しみにしながら、今はみんなでがまんすべきことをがまんしようと思っています。いろいろなことが再開できるようになったら、そのときはみんなでおもいっきり楽しめばいいのだと思います。 なお、長谷川選手は「#つなぐ」プロジェクトの一環で、子ども支援専門の民間・非営利の国際組織セーブ・ザ・チルドレンが実施する絵本の読み聞かせプロジェクト「#SaveWithStories(セーブ・ウィズ・ストーリーズ)」に、男子サッカーの小川航基選手とともに参加している。 取材・文=MCタツ

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