史上最高レベルの一戦。異次元の新技2連発もメダルには届かず中村輪夢が5位入賞「パリ2024オリンピック」BMXフリースタイル・パーク種目
女子カテゴリーは優勝候補がフルメイクを逃す波乱の展開。そんな中で勝ち越したのは中国のデン・ヤーウェン
女子カテゴリーは男子同様で12名が参加し、決勝は予選を勝ち抜いた9人で行われた。こちらも東京オリンピック金メダリストのシャーロット・ワーシントン (イギリス)が予選敗退と波乱の幕開けとなったがその流れは決勝でも続いた。優勝候補だったアメリカのハンナ・ロバーツや中国のスン・ジアキが2本ともミスが続きフルメイクできずメダル争いから離脱するなど、オリンピックの独特な雰囲気に選手たちが翻弄された。 そんな今大会で並いる強豪を抑えて金メダルを獲得したのはデン・ヤーウェン(中国)。ラン1本目では「ダブルテールウィップ」を皮切りに、ステップアップでの「バックフリップ・タックノーハンド」や、「トリプルバースピン」など様々な男子顔負けの高難度トリックをメイクし92.50ptをマークし暫定1位に。そのまま勢い付き迎えた2本目では、さらに1本目の完成度を上げるべく挑むと見事こちらもフルメイクで終えて0.1pt上回るスコアを残し、最高の色のメダルを見事中国に持ち帰った。 銀メダルはライダーたちが選ぶ「NORA CUP」にて2023年にウーマンライダーオブザイヤーに選ばれたそのライディングスタイルが人気のペリス・ベネガス(アメリカ合衆国)。昨年は前十字靭帯の怪我を経験した彼女だったが1年後のオリンピックでメダル獲得となる見事な復活劇を見せた。 ベネガスは1本目では他の選手よりも際立ったハイエアーと流れるようなフローのライディングの中に「スイサイド・ノーハンド to X-up」などスタイル溢れるランで83.40ptをマーク。2本目ではメダル獲得を目指しさらにランをアップデート。各セクションでトリックを入れながらハイエアーに「バースピン」や「360」など様々なトリックをメイクするパーフェクトランでスコアを90.70ptへ大きくジャンプアップさせて、東京大会では4位となり惜しくも目の前で逃したメダルを見事獲得した。 銅メダルを獲得したのはオーストラリアのナターリャ・ディーム。予選では8位通過だった彼女だが、決勝では見事なライディングを見せた。1本目では「ノーフットキャンキャン」やクオーターでの豪快な「フレア」など完成度の高いライディングで88.80ptをマークし暫定3位に。更にメダルの色を変えるべく2本目ではファーストトリックとしてボックスジャンプでの「フロントフリップ」や「タックノーハンド to タイヤグラブ」をメイクするも「フレア」のミスも響いたのか、ランをフルメイクで終えるも87.70pt。スコアを伸ばせなかったがそのまま順位をキープし銅メダルを獲得した。 今大会で新たなフェーズに突入したBMXフリースタイルパークシーン。会場を沸かせる新技もさることながら、どれだけコンスタントにかつコースを広く使って1分間同じフローの中でトリックを決め続けられるかが、今後の大会での成績を左右することになりそうだ。そんな歴史の1ページを刻んだパリオリンピックが終わり、また新たな戦いが始まる。今後もBMXフリースタイルパークシーンから目が離せない。
大会結果
<男子> 優勝: ホセ・トーレス (アルゼンチン) / 94.82pt 準優勝: キーラン・ライリー (イギリス) / 93.91pt 第3位: アントニー・ジャンジャン (フランス) / 93.76pt 5位: 中村 輪夢 (ナカムラ・リム) / 90.89pt <女子> 優勝: デン・ヤーウェン (中国) / 92.60pt 準優勝: ペリス・ベネガス (アメリカ合衆国) / 90.70pt 第3位: ナターリャ・ディーム (オーストラリア) / 88.80pt
FINEPLAY
【関連記事】
- 日本人選手のパリオリンピックへの切符の行方は。日本人最高位は中村輪夢の8位「オリンピック予選シリーズ ブダペスト大会」BMXフリースタイル・パーク種目
- 日本人最高位は中村輪夢の9位。次回最終戦に望みを懸ける「オリンピック予選シリーズ 上海大会」BMXフリースタイル・パーク種目
- 5年ぶりの世界大会は波乱の展開。そんな戦いを制したのは。「UCI BMX FREESTYLE WORLD CUP ENOSHIMA JAPAN」
- 中村輪夢が前人未踏の大会5連覇、内藤寧々は2度目のタイトルを獲得「第7回全日本BMXフリースタイル選手権」フリースタイル・パーク種目
- トリックマシーンの強さを見せ、ダニエル・サンドバルが2種目で堂々の金銀を獲得。日本の中村輪夢はパークで7位。【X Games Chiba 2023】BMXフリースタイルパーク/パークベストトリック