【112cmの感動】琵琶湖で100万円?の巨大魚を釣り上げた
2度目の出船で、見たこともないような巨大魚がヒット!
あれから1ヶ月後の8月24日。真夏の滋賀はあまりに暑いので…長野や千葉の実家で過ごしていたのだが、学生時代からの友人Mより、夏休みを滋賀で過ごしたいという連絡が来た。 M「あのかっちょいいボートに乗りてー! 釣りもしたい!」 過去に空冷ポルシェ911、ロータス・エランなどを所有し、今は1969年製のアルファロメオ・ジュリアとBMWの古いバイクに乗っているエンスーなM。普段は釣りをしないくせに、スキーターのカッコよさには惹かれるらしい。とはいえ、暑いので昼までに上がる気満々だし、釣り方にもまったくこだわらないということなので…彼にはエサ釣りをしてもらうことにした。魚探もまだ付いてないしね…。 朝。40cm減水した琵琶湖で、前回以上に慎重にランチングすると…あれ、またエンジンが掛からない。マリーナのご主人が水に入ってくれてボートをチェックすると…バッテリーの配線ミスだった…。スミマセン! 気を取り直して、沖へとアイドリングで進んだところで、フットペダルを踏み込んでみたが…今度はエンジンが全然吹け上がらない。どうしたんだ…いつものようにぶっ飛ばそうぜ!?一瞬焦ったが、おそらくプラグがかぶり気味だったのだと思う。ニュートラルに入れて何度か吹かすと、快調に回ってくれた。 時速90kmくらいまでスピードを出して、北へと進む。まだまだ回転数に余力があるが、今日はこれくらいにしておこう。 さて、沖島、大同川沖の魚礁などで釣りをするも、アタリがない。徐々に南下し、真野のポイントで粘っていると…Mのエサタックルに何度かアタリが出始める。そしてついに…Mのロッドが思い切り絞り込まれた! 語り部「巻いてから合わせて! あれ…めちゃくちゃデカいんじゃない?」 安全な場所へとエレキで誘導し、時間をかけてファイトをしてもらうことに。謎の魚が少し浮いてきて…一瞬魚影が見えた! これは…ヤバい。 M「なにこれ…バスじゃないよね? めちゃくちゃ引くぜ」 語り部「オオナマズかな? 絶対獲ろう。じっくり行こう」 ジジ、ジー、ジー…と、大昔のカルディアのドラグが仕事をしている。お世辞にもスムーズとはいえない出方であるが、PE0.8号+フロロ2号ラインを切られないように守ってくれているようだ。 15分ほどファイトしていると、魚は疲れ、水面付近まで浮いてくるようになった。これは…コイだな。しかしデカい。余裕で1mを超えているように見える。 語り部がネットランディングを試みたが、デカすぎて頭しか入らないし、ネットを嫌ってまた一気にラインを出されてしまう。口とエラ蓋を手で掴もうとしてもデカすぎるのとパワーがありすぎて無理だった。 そんなことを何度か繰り返した頃、最後はネットに頭だけ入れて、お腹を右手で持ち上げながら、強引にボート上に上げることに成功した(ネットは付け根が破損)。しかし、なんというデカさだ。頭は子豚くらいあるし、胴体は丸太のようだ。 語り部「じゃあ、全裸になってそのコイを抱こうか」 M「上等だよ! …いや、無理。デカすぎて怖いよ!」 結局、デッキで暴れるコイのパワーを止められず、満足のいく写真の撮影はできなかった…。 計測してみると、長さはなんと112cm。噂だと110cmクラスの野鯉は政財界の大物みたいな人が池で飼うために、100万円で買ってくれるらしいのだが…。我々は精神的貴族、迷わずリリースした。
望月俊典:千葉県九十九里町生まれのフリーライター。海外の秘境釣行も大好きで『世界の怪魚釣りマガジン』の立ち上げ&制作を手掛けた。