トランプ大統領の外交ブレーンが緊急提案「中国に対抗するために、米軍と自衛隊を統合された勢力にせよ」
アメリカのご機嫌取りは間違い
反覇権連合の目標は、中国を弱体化させることではありません。中国が他国を侵略しなければ、「中華民族の偉大な復興」を達成してもかまわないのです。 アメリカの国益は、習近平や中国共産党と、生きるか死ぬかのデスマッチをやることではない。 あくまでも覇権を拒否することが目的で、「私たちの境界線」や「バランス・オブ・パワー」を尊重してもらいさえすればよい。セオドア・ルーズベルトの「大きな棍棒を携え、穏やかに話す」という言葉。これが平和をもたらす最適解なのです。 この拒否戦略を確立するうえで一番の難題は、台湾と日本が「アメリカのご機嫌さえとっておけば、いざというときに助けてくれる」と考える傾向があることです。 それはまったく正しい考え方ではありません。台湾と日本が自己防衛のために多くのコストをかけてこそ、アメリカが重要な役割を果たせる可能性が高くなるのです。 台湾の政治指導部に、私はこう直接言ったこともあります。 「あなた方はギリギリの状態ですよ。なぜならあなた方が国防の増強に真剣に取り組んでいない、とアメリカ国民が感じているからです」
米軍と自衛隊を統合したい
それなのに、台湾はウクライナの大義を熱心に支持している。 「半キロ先でクマに襲われている人がいるけど、あなたは火を吹くドラゴンに追いかけられているんですよ。こっちは心配にならないのですか?」と思います。 一方の日本を見ると、第2次世界大戦以降のアメリカの取り決めは、日本を作戦の拠点とし、自衛隊は日本列島の自衛に専念するというものでした。 今後は、自国の防衛を主体的かつ積極的に遂行でき、アメリカと対等に活動できる「統合された軍事力を持った日本」が必要なのです。 つまり、米軍と自衛隊を統合された勢力にしていきたい。それが私のビジョンです。これは日本政府側にも共有されており、すでにその方向に向かっていると思います。 いまだに多くの日本人が現実主義という概念にアレルギーがあり、国際関係について理想主義的な見方をしています。しかし、日本はもっと現実的になり、軍事防衛に重点を置くことが必要なのです。 私は日本の防衛費をGDP比3%以上にすることが望ましいと思います。トランプ政権もそれを日本に求めるでしょう。 もう一度言います。いますぐ台湾有事に備えよ。中国の覇権を拒否するために、日本は目覚めなければならないのです。 (聞き手/大野和基) 「週刊現代」2024年12月7・14日合併号より 【さらに読む】習近平が激ヤセしていた…!?経済どん底の中国でトランプ大統領誕生に恐怖する「国家主席の悲鳴」
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