「俺の目が黒いうちはやらせない」と拒否された立浪前監督も参列 白井文吾元オーナーお別れの会 落合博満氏は一家で黙禱
10月29日に老衰のため96歳で死去した中日元オーナー、白井文吾さんのお別れの会が10日、名古屋市内で開かれ、歴代の監督が故人をしのんだ。 【写真】落合博満氏は信子夫人、長男福嗣氏を伴って参列した 反発も多いなか2003年オフに白井さん自ら招聘に動いた名将、落合博満氏(71)は、午前10時前に信子夫人(80)、長男の福嗣さん(37)を伴って黙禱後、手を合わせると静かに会場を後にした。 今オフに就任した井上一樹新監督(53)やベテランの大島ら現役ユニホーム組が参列後、15分後ほどして1人で姿を見せたのは、今季まで3年間指揮した立浪和義前監督(55)。祭壇の遺影をしばし見つめてから、その場で15秒ほど祈りを捧げた。 「いろんな思いを抱えていると思うが、あの場でお別れのあいさつをしっかり果たすことで、彼の中でも区切りをつけたかったのだろう」と、その心中をおもんぱかったのは大物OBだ。現役時代に絶大な人気を誇った立浪氏が引退後、監督候補に浮上するたび白井さんは「俺の目が黒いうちはやらせない」と強硬に拒否。実際に立浪監督が誕生したのは、後任の大島宇一郎現オーナーが就任して1年後だった。 それから3年後の今年9月18日、立浪前監督は球団初の3年連続最下位の責任を取り退任を表明した。生前の白井さんが何を思ったかは定かでないが、愛するドラゴンズの大きな転換点を見届けて名物オーナーは旅立った。 (山戸英州)