決勝で敗れ、肩を落とすＧ大阪の選手たち

　「天皇杯・決勝、神戸１－０Ｇ大阪」（２３日、国立競技場） 　神戸がＧ大阪を１－０で退け、５大会ぶり２度目の頂点に立った。後半１９分、ＦＷ宮代大聖（２４）が均衡を破った。優勝クラブには１億５千万円が与えられる。２連覇が懸かるＪ１は残り２試合で首位に立ち、２冠の可能性がある。Ｇ大阪は９大会ぶり６度目（前身の松下電器時代を含む）の制覇はならなかった。関西勢による決勝は１９５３年度の全関学－大阪クラブ以来で７１大会ぶり。９３年のＪリーグ開幕後では初めてだった。 　Ｇ大阪の主将、ＦＷ宇佐美は試合後、さまざまな思いがあふれピッチで号泣した。試合２日前の練習中に右太もも裏の肉離れを発症。チームを引っ張ってきたエースは決戦の舞台に立てず、９大会ぶりの頂点に導けなかった。 　神戸の堅守を前に、シュート６本に封じ込まれた。エースの不在にポヤトス監督は「個々は言い訳にしたくない。影響はなかった」と話したが、なかなか攻撃で突破口を見いだせず。後半３１分に唯一といえる決定機を迎えたが、ＭＦダワンのヘディングシュートはわずかに枠の右に外れた。 　タイトルには届かなかったが、広島、横浜Ｍといった強敵を倒し、決勝の舞台まで勝ち上がった。昨季リーグ戦１６位と低迷したチームは、宇佐美を中心に成長。指揮官も「素晴らしい大会だった」と準優勝をたたえた。