２回、三塁打を放ち、滑り込む矢野（撮影・市尻達拡）

　「広島６－３ＤｅＮＡ」（３０日、マツダスタジアム） 　グラウンドを駆け回る姿が頼もしい。広島・矢野雅哉内野手が３安打３打点の活躍で、後半戦初の本拠地ゲームでの勝利に貢献。「しっかり狙い球を絞って打席に入れて、いい結果につながった」と充実感をにじませた。 【写真】お立ち台で玉村の腕を支える矢野　心優しい若者 　二回先頭で迎えた第１打席。浜口の初球を捉え、右中間を破る今季４本目の三塁打で好機を演出。菊池の左前適時打で先制のホームを踏んだ。 　３点リードの三回１死二、三塁では二遊間を破る２点適時打。前回対戦の１５日に１失点完投を許した左腕を、この回で引きずり下ろし、「前回やられたことを反省しながら、狙いを決めていけた」とうなずいた。五回にも適時打を放ち、今季最多タイの１試合３打点をマーク。好調・坂倉の後ろで存在感を放った。 　この日はめでたいこともあった。４歳上の兄・幸耶さんが所属する三菱重工Ｅａｓｔが都市対抗野球の決勝でＪＲ東日本東北に勝利し、初優勝。「１番・遊撃」で出場した幸耶さんは先頭打者弾を含む４安打３打点、２本塁打の大活躍だった。 　試合後に確認したという矢野はお立ち台で「僕の兄が優勝したそうです」と真っ先にファンに報告し、場内は拍手に包まれた。「野球を始めたきっかけが兄。ずっと追いかけている。活躍したら頑張らないといけないと刺激になる」と矢野。兄の活躍も追い風にし、後半戦の再加速につなげていく。