広がる食材偽装 「牛脂注入肉」で気をつけるべき点は?
虚偽表示の防止へ政府の取組は?
問題はやはり偽装表示なのだといえます。もちろん、牛脂注入肉のすべてに食中毒やアレルギーのおそれがあるというわけではありません。加工業者も衛生管理は徹底しています。たとえば、ある食肉加工業者は「牛肉に注入する時のピックル液の温度は牛脂が溶ける40~50度前後です。20度前後が一番菌が増殖しやすい温度とされるので、注入後は急速に冷やします」といいます。 何より必要なのは適切な表示です。飲食店のメニューに適用できるのは景品表示法(景表法)で定められています。消費者庁はサイトで「よくある質問コーナー」で景表法に関するQ&Aを表示しています。消費者が被害に遭わないようにするためには偽装表示防止の徹底が必要です。政府は当面の対応として、消費者庁を中心に、(1)業界に対して、消費者庁作成の「過去の違反事例」について周知徹底を図る、(2)偽装・誤表示の状況を把握し、問題がある場合は是正・適正化を求める、などの取り組みを検討しています。政府、関連業界の迅速な対応を期待しましょう。