マイナ保険証「今からでも撤回すべき」医療・介護・福祉分野の当事者らが集会 政府に方針転換迫る
現場からも予算増や紙の保険証維持求める声
医療や介護現場の当事者らによるリレートークでも、紙の保険証維持や、医療・社会保障費の増額を求める声が相次いだ。 医師の男性は自身の経験から、「私の医院でも、ほとんどの方が紙の保険証を提示していて、これまで何も問題は起きておらず、むしろマイナ保険証に切り替えれば事務的な負担につながります」と訴えた。 また、看護師の女性は、長時間労働や深刻な人手不足解消のため「医療や介護の現場に予算を回してほしい」と語った。 「夜勤で働く看護師は、昼間に働く看護師と違い人数が少なく、みんな疲れ果てている。 さらに、看護師は感染対策や新しい機械の勉強が必要となり、私生活もだいぶ制限される状況が続いている。このような状況下では、新しく入ってきた人が自信を失い、体を壊したりして、辞めたくなるのも本当にわかります。 (国は)大切な医療や社会保障に予算をまわし、時間と余裕があって、患者のそばにいられる看護(環境の整備)を目指してほしいです」 集会では最後に、下記の4つについてあらためて訴えた。 ①医療・介護・福祉従事者の大幅増員・大幅賃上げ、診療報酬・介護報酬の再改定を実現すること ②医療・社会保障費を増やし、患者・利用者の負担増を止めること ③紙の保険証維持・保健所増設で地域の医療・介護をまもること ④軍事ではなく外交・社会保障重視の政治に転換すること シュプレヒコールを上げたのち、参加者らによるパレードも実施された。 自民党の総裁選やその後の総選挙で、マイナ保険証をはじめとする医療や介護、福祉の課題解決に向けた議論が進むことを期待したい。
弁護士JP編集部