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豪雨の水害で被災…自宅の改修費用いくらかかる?活用できる公的支援は

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日刊ゲンダイDIGITAL

 九州全域に大雨をもたらした梅雨前線は、本州に飛び火した。岐阜や長野でも猛烈な雨が降り、飛騨川も氾濫させた。昨年の台風19号といい、この豪雨といい、雨量は年々多くなるばかり。いつ自宅が水や泥にのまれても不思議はない。大ピンチに見舞われたとき、補償はどうなるか――。  ◇  ◇  ◇  昨年10月12日、伊豆半島に上陸した台風19号は過去最強クラスといわれ、多摩川や千曲川など全国の71河川で堤防が決壊し、甚大な被害が広がった。全壊85棟、半壊324棟で、床上と床下の浸水はどちらも2万件を超えた(総務省消防庁)。  では、水害を受けた自宅の復旧には、どれくらいの費用がかかるのか。JA共済が監修するHP「みらいのねだん」の「さいがいのねだん」は、いろいろな災害にかかる費用をシミュレーションしている。  その水害編では、延べ床面積99平方メートルの2階建ての1階部分が床上浸水したとして試算している。約33平方メートルのLDKには床暖房が2面あり、LDK部分の壁クロスは60平方メートルとしたところ、家屋の補修工事費用が約362万円、家財費用が約60万円で、合計422万円ナリ。  補修工事費は、泥の撤去や消毒のほかに床材や壁クロスの張り替え、床暖房の入れ替え以外に、浴室・トイレの取り換え、電気、ガス、水道など設備の点検などをすべてひっくるめた金額で、家財費用はテレビや冷蔵庫など家電や家具の購入費だ。国産の人気自動車が買えるくらいの出費を覚悟しなければならない。一般に地震より水害の方が、修復には時間もカネもかかるのだ。  その金額は、あくまでも相場。泣きっ面に蜂で、被災地では補修依頼が殺到して、相場が上がる。被災者の足元を見て、見積もり費用をつり上げる業者もいる。水災を補償する火災保険に加入しているかどうかが、明暗を分けるという。 ■水災補償の付帯率は7割  実は、火災保険の水災補償付帯率は年々下がっていて、2019年3月末で69・1%。3割は未加入だ。マンション住まいの人が増えたことが要因とされるが、九州豪雨では球磨川沿いで浸水の深さが9メートルに達したエリアもある。マンションでも、土地の状況次第では3階くらいまで水害を覚悟しておいた方がいいだろう。この際、火災保険の水災補償の契約内容をチェックしておくのが大切だ。 「火災保険は、補償の種類を絞った住宅火災保険と、必要な補償を自分で組み合わせるタイプの2種類があります。いずれにしても、対象となるのは台風や大雨による洪水や土砂崩れ、高潮など自然災害による住宅への浸水被害です。損保大手4社の火災保険料は来年1月から全国平均で6~8%引き上げられる見通しですが、これだけ水害が相次ぐ状況を見ると、各自治体のハザードマップで水害リスクが高いエリアに住む人は、水災補償をつけるのが無難。それでほとんどの修理費用がカバーされます。ちなみに地震による津波は、火災保険の水災補償ではなくて、地震保険の守備範囲。火災保険の水災補償と地震保険をセットで考えることが重要です」(経済ジャーナリスト・荻原博子氏)  台風19号では、多摩川が決壊。都心もタダでは済まず、大田区や世田谷区でも浸水エリアが広がった。関東の人気ベッドタウンの一角・JR武蔵小杉駅近くのタワーマンションでは、浸水で地下3階の電気設備が故障。エレベーターや排水設備が動かず、断水を余儀なくされ、風呂はもちろん、トイレも使用できず、生活が寸断した。  最新のタワマンさえ、歴史的な豪雨の下では決して盤石ではない。マンション住まいでも、地下や1階の駐車場が浸水してマイカーがオシャカなんてことは十分あり得るだろう。 「たとえば地下駐車場への浸水で水没した車の被害は、火災保険の水災補償の対象外。それをカバーするのは、自動車の車両保険です。マンション高層階でも川沿いなどに住む人は、車両保険に加入するのが無難でしょう」(荻原博子氏)  損害保険料率算出機構の「2019年度自動車保険の概況」によると、車両保険の加入率は自家用普通乗用車で6割ほど。軽だと5割を下回る。  ゲリラ豪雨の激化で、マンションの高層階でも排水が突然あふれる現象も頻発している。築年数がかさんで、排水機能が追い付かないと、上層階とて安心できない。

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