Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

日常生活に少しの彩りを――都電荒川線沿いに咲く「バラ」を巡る物語

配信

アーバン ライフ メトロ

手軽に楽しめる街の花々

 新型コロナウイルスのまん延で、行楽シーズン真っ盛りのゴールデンウィークに出掛けた人は大幅に減少しました。 【画像】花言葉は「愛」と「美」 目にも鮮やかなバラの花々を見る(10枚)  ゴールデンウィークに人出が減少したのは、行楽地だけではありません。新宿や渋谷、銀座といった繁華街も人影はまばらでした。遠出どころか、近隣への外出も多くの人が控えたことになります。  できるだけ外出をしないように呼びかけられている昨今ですが、食料品や日用品などの買い物をはじめ、用事で外出せざるを得ない事情も出てきます。  そうした必要火急の外出時に、手軽に楽しめるのが線路や道路の沿いに咲く美しい花々です。

都電荒川線「さくらトラム」の由来

 この時期、見頃を迎えているのがバラです。  東京近郊には多くのバラ園があります。しかし、緊急事態宣言でそれらの多くは休園しています。そのため、バラを存分に楽しむ環境ではありません。  都電荒川線の線路沿いに植栽されている数々のバラは、誰もが気軽に楽しむことができるバラ鑑賞スポットでもあります。  新宿区の早稲田から荒川区の三ノ輪橋を結ぶ都電荒川線は、“東京さくらトラム”という愛称がつけられています。  これは、沿線に飛鳥山や神田川といったサクラの名所が点在していることに由来しています。そのため、サクラのシーズンは都電の車内も沿線を散策する人もサクラ目当ての花見客であふれます。  しかし、都電沿線でサクラが植樹されているのは飛鳥山や神田川です。これらのサクラの名所は、都電沿いとはいえるものの、都電の車窓から楽しめるほどの近距離ではありません。

線路端のバラの特徴

 一方、都電沿いの花の代名詞にもなっているバラは、線路端に植栽されています。手を伸ばせば届きそうなぐらいの距離です。わざわざ下車をしなくても、車窓からでも存分に楽しむことができるのです。  都電沿いに植えられたバラは、もともと荒川区が地元住民団体と協力して官民共同で植樹を始めた事業でした。荒川区と地元住民団体で取り組んだバラの植栽には、大きな特徴があります。  今般、バラ園はあちこちに整備されています。それらのバラ園は、バラの種類ごと面状に植栽されています。  一方、都電沿いのバラは線路に沿うよう、線状に植えられているのが特徴です。荒川区が都電沿いにバラの植栽を始めた頃、そうした線状に植栽されたバラは珍しいものでした。  またバラ園などは入園料がかかる一方、都電沿いのバラは無料で誰もが鑑賞できます。そうした開放的な空間をウリにしていましたが、誰もが自由に楽しめるため、心ない不届き者によって盗掘被害もたびたび起きていました。  盗掘された一画は、はげ山のように土がむき出しなりました。華やかなバラが咲き誇る都電沿いの一部分が、みすぼらしくなってしまったのです。

【関連記事】