G亀井の逆転サヨナラ3ランを呼んだロッテの3打席連続敬遠は正解だったのか
巨人が18日、ロッテとの交流戦の最終戦を亀井善行(34)の劇的な逆転サヨナラ3ランで飾った。 3-5で迎えた延長12回。坂本勇人のタイムリー二塁打で1点差に迫り、なお一死二塁で、ロッテバッテリーはマギーを敬遠した。一死一、二塁で、途中出場していた亀井に打席が回ってきたが、敬遠の様子を見る、その表情には、鬼気迫ったものがあった。 「打てなかったら命をとられると思って、それくらいの気持ちでいきました」 実は、この試合、目の前でマギーが歩かされるのは3度目だった。これ以上ない屈辱だった。 まず同点で迎えた8回一死三塁で、マギーが敬遠で歩かされ、一、三塁となって亀井が打席に入ったが、ポーンと打球を打ち上げてキャッチャーのファウルフライに終わった。 延長10回にも、二死三塁で、再度マギーが目の前で敬遠され、亀井との勝負を選ばれた。ボールをファウルでカットすることに失敗したような中途半端な内容での空振り三振に終わり、サヨナラ機を逃していた。 「心が折れていた」と、亀井がこの2打席を振り返るのもよくわかる。 そして延長12回でも、3打席連続でマギーが敬遠、亀井勝負の戦術が取られたのである。 しかも、雪辱に燃える亀井は、大嶺祐太が投じた初球のフォークを空振りしていた。タイミングは合っていなかった。ボールカウント1-1から、再びロッテのバッテリーがフォークを選択したのは間違いではなかったのだろう。だが、そのボールは落ちなかった。失投だった。 グリップを短く持ったバットを振りぬいた瞬間、その十分すぎる手ごたえに亀井は、一塁ベンチを見て、そして鬱憤を噛み締めるように拳を握りしめた。ダイヤモンドを回る間に涙があふれ、ホームで高橋監督に迎えられると、嗚咽が止まらなかった。 「迷惑をかけました。奇跡としか言いようがないです。プロに13年間いるんですけど、一番良かった。何もできていなかったので最後に打ててよかったです」。お立ち台でも男泣きは続いた。 ベンチ裏で「負けていたら僕の責任。野球の神様がいてくれました」と、つぶやいた。 高橋監督も、「亀井が救ってくれた。彼自身、自分も救った」と、いみじくもそこまで2打席の凡退をそう表現したが、そもそもロッテバッテリーのマギーに対する3打席連続の敬遠策は正解だったのか。そこまで亀井のハートをズタズタに刺激してしまうことは間違っていなかったのだろうか。