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糖質オフの効果は19世紀から知られていた! 圧巻の糖質オフ年代記

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Tarzan Web

糖質制限の歴史(4)2008~2015年

脱線が長くなった。話を戻そう。 08年には、世界的に影響力があるアメリカ糖尿病学会(ADA)が、肥満の糖尿病患者に限り、1年間の期限付きで糖質制限食を認める。条件付きだが、治療食の物差しをカロリーから糖質へ変えたという点ではエポックメイキングだ。 その後ADAは段階的に許容範囲を広げて、とうとう13年には、肥満の有無に限らず、糖質制限食の有効性を全面的に認めるようになった。それまでのカロリー制限食に替わり、アメリカでは糖質制限食が糖尿病の食事療法の主役になる。ちなみに、日本糖尿病学会は、糖質制限食をオフィシャルには認めていない。

12年、Tarzan本誌が初めて一冊丸ごと糖質制限食を特集。

打ち明け話をすると、同年1月に京都で日本病態栄養学会年次学術集会という権威のある集まりがあり、「糖尿病治療に低炭水化物食は是か? 非か?」というディベートが行われた。 医学会の晴れ舞台に糖質制限食がついに登場したので、当時の編集長に取材許可をもらって京都まで一人で取材に出向いた。のちに編集長は、「学術集会で議論されるくらいなら、うちで糖質制限食を取り上げていいタイミングだと思った」と語ってくれた。以来、本誌は定期的に糖質制限食をテーマとしている。 続いて日本における糖質制限食の普及にインパクトが大きかったのは、北里大学北里研究所病院の山田悟糖尿病センター長が、緩やかな糖質制限食を「ロカボ」と名付けて提案したこと。ロカボとはローカーボ(低糖質)のカジュアルな呼び名だ。ロカボは科学的なエビデンスに基づいて、糖質を1食20~40g+間食10gで1日70~130g以内に抑える方法。ご飯やパンなどを適度に楽しみつつ、減量や糖尿病改善も期待できるため、取り入れる人が増えている。 糖質制限食は年々進化と広がりを見せて、コンビニやファストフードまで拡大中。中食や外食でも、目的や体質に応じて糖質の摂取量を好きにコントロールしやすい時代になってきた。「お米を食べないなんて頭がおかしい!」と変人扱いされた頃からすると隔世の感がある。 一方、最新の調査でも、成人男性の3人に1人、成人女性の5人に1人以上は肥満であり、糖尿病患者も一向に減らない。糖質制限食の役割は、今後より大きくなりそうだ。

取材・体験・文/Mr.TRAINING(初出『Tarzan』No.783・2020年3月12日)

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