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『白い巨塔』主演俳優が散弾銃自殺、有名企業の会長が失踪……被害者がふたたび増えている「古典的詐欺」の手口

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文春オンライン

「M資金」を巡り、過去最悪の被害と見られる事件が明らかになった。   6月11日、神奈川県警は66歳の男をはじめ3人を詐欺容疑で逮捕した。「国家予算外の秘密資金2800億円を提供する人を紹介できる」――会社役員の男性(70代)にこう持ちかけ、交渉すると称して1億3000万円を騙し取った容疑。 【画像】同様の詐欺が原因で散弾銃自殺した芸能人  男性役員は資金提供を信じて3人に繰り返しお金を支払い、その額は30億円を超えた。しかし資金は提供されず、3人に連絡が取れなくなったという。 

いまだに多くの人が騙される「M資金詐欺」

「逮捕された1人は、企業の社長などにM資金の提供を持ちかけるブローカーとして古くから名前が知られ、元大物官僚の甥と言われていました。最近はファッションショーの運営などを手掛けるという会社を設立し、代表に就いていました」(M資金に詳しい調査会社社員)   M資金とは、戦後日本を統治したGHQ(連合国軍総司令部)が旧日本軍から接収したとされる、数兆円とも言われる巨額資金のこと。GHQ経済科学局のウイリアム・マッカート局長の頭文字を取ってM資金と呼ばれる。その資金は後に日本政府に極秘に返還され、経済発展のために特別に選ばれた経営者に提供されている、というストーリーが語られる。   M資金ブローカーが大企業の社長等に接触し、資金提供を持ちかける。「西武鉄道の堤義明さんもM資金を提供されて成功したのです」と、大物経済人の名前を囁き、手数料等の名目で金を要求する(堤義明氏がM資金を提供された事実は確認されていない) 。  近年ではM資金の名称が使われることは少なく、冒頭の事件では「基幹産業育成資金」という名称が使われた。他にも、「国家予算外特別委託管理保護資金」や「国家経済復興資金」などの仰々しい名称が使われる。 

ベッドの上で散弾銃の引き金を引き……

 70年代に活躍した俳優の故・田宮二郎氏も被害者だ。   主演ドラマ「白い巨塔」放送中の1978年12月、自宅のベッドの上で散弾銃の引き金を引いて自殺。43歳の若さだった。  「田宮氏は1000億円を超える資金が提供されると信じ、新規事業に投資し、不動産を購入しました。しかし資金が提供されることはなく、話を持ちかけてきたブローカーは消えてしまった。周りに迷惑をかけたことを苦にしていたと言われました」(同)   70年代以降、自動車メーカー、航空会社、大手鉄鋼企業などの社長や役員が次々とM資金を信じたとされる。 

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