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劇団ロロ 三浦直之に聞く、演劇の現状と未来像 「変化に対してどう向き合っていくか」

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リアルサウンド

 コロナ禍におけるエンタメ業界の現状、そしてこれからについて考えるリアルサウンドの特集企画『「コロナ以降」のカルチャー 現在地から見据える映画の未来』。第5回は劇団ロロの脚本家である三浦直之氏に、演劇界の現状や変化について、また今後の未来像を見据えた上で、今行っていることを教えてもらった(5月22日取材/編集部)。 【写真】連作短編通話劇シリーズ『窓辺』

「演劇」は災害やウイルスにすごく弱い分野

ーー劇団や劇場は、コロナウイルによってどのような影響を受けていますか? 三浦直之(以下、三浦):劇場が閉じているので、舞台公演の予定はほとんどが延期か中止になっています。4月と5月に予定していたロロのいわき・三重公演は延期に、6月に予定していたロロの本公演は、先日中止を発表しました。ツアーに関しては劇場の主催公演で、劇場から上演料をいただいて公演をする形だったので、今のところ金銭的な負担は少ないです。劇場の方たちが、この先どうやって演劇を復活していけるかにとても尽力されていると感じます。ロロの公演もできるだけ延期や、中止だとしても今後上演の機会を探ってくださることになったので、ありがたいです。 ーー中止の場合、金銭的な負担はあるのでしょうか? 三浦:メンバーが出演していた玉田企画『今が、オールタイムベスト』(2020年3月19日~26日)が劇場で公演をやっていたギリギリの時期だったと思うんですが、それ以降は軒並み劇場が閉まってしまうということで、僕たちも稽古を始める前でしたので、負担は少なく済みました。もし美術を発注し、スタッフも稼働していて、劇場入り直前まで稽古もして中止になった場合、僕らの劇団の規模だと数百万円、人件費なども含めると1千万円近くの負債になってしまうと思います。演劇を続けられないくらいの額ですね。 ーーなるほど。公演が延期、中止になっている中、劇団メンバーの方々はどう過ごされているのでしょうか? 三浦:僕個人に関しては、ありがたいことに舞台だけではなく、他の執筆のお仕事をいただいているのですが、俳優やスタッフは仕事が全部なくなっていると聞いています。僕らのような小劇場演劇といわれる規模だと、演劇だけで食べていける俳優ばかりじゃありません。メンバーは他の仕事でも生計を立てつつ、さらに演劇があって、両軸でやっているのが基本です。本来であれば、俳優たちにはツアーと本公演でギャランティを支払う予定でしたが、今すぐに満額支払える目処が立たず、すごく難しい状況です。 ーー映画館も閉館を余儀なくされていましたが、映画と演劇におけるコロナウイルスの影響の違いはどう感じていますか? 三浦:これまでも演劇はインフルエンザで公演中止になることも度々起こっていたので、災害やウイルスにすごく弱い分野だと思います。劇場が再開しても、通常の満席の状態で演劇ができるようになるのはまだ先になるだろうし、コロナウイルスによって演劇の配信や映像化の流れが加速していくのをすごく感じていて。そのことに対してどう向き合っていくかというのを、今『窓辺』という作品を作りながら考えています。

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