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コロナ禍で顕在化するジェンダーギャップ。

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VOGUE JAPAN

新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受け、家族の時間が増えて夫がより協力的になるかと思いきや……という声が、ソーシャルメディア上に広がっている。「コロナ離婚」というワードまで飛び出し、夫婦の絆が試されているのだ。連載第3弾は、ワーキングマザーMさんの家庭と仕事の両立における悲痛な叫びと、今後のキャリアへの不安について。

家庭内のジェンダーギャップ。

昨年3月に第一子を出産し、今年の4月から仕事に復帰した。しかし、慣らし保育が始まったかと思いきや、新型コロナウィルスの感染拡大の影響をうけて緊急事態宣言が発令され、保育園には自粛要請がでた。私は病院で勤務する薬剤師なのだが、医療現場は人手が足らず復帰が急がれ、八方塞がりなこの状況を夫に相談した。すると返ってきた返事は予想外のものだった。 「俺は簡単に仕事を辞められないから、母親である君が仕事を辞めて娘を家で見てくれ。君の給料が俺以上なら話は変わるけど、俺より安い給料で働いて、病院勤務は感染リスクもある。いいことがないじゃないか」 収入額で天秤にかけられ、私が辞める前提の発言に、私の心には、怒りなのか悲しみなのか虚しさなのか、コントロールできない感情が渦巻いた。私は自分の仕事にプライドを持っている。特に今はみんなで力を合わせて乗り越えるときで、尚更「辞める」なんて考えは1ミリもない。おそらく夫の発言に悪意はないし、家族の感染リスクを考えた上ではある意味合理的な提案かもしれないが、「男は稼いで、女は家を守れ」というアンコンシャスバイアスが、私のアイデンティティーを侵害したのは確かだ。 こうした状況でなくても、約1年の育児休業でキャリアが止まり、復帰後も時短勤務になり収入が減ってしまうことに悔しさを感じている。父親も母親と同等に子育てをする責任があるのに、当然のように家事や育児の役割を女性が担うべきという思想が、若い世代にも根深く残っている。今後も保育時間が短くなるなど、育児や家事の負担が女性にのしかかり、仕事を減らしていかざるを得なくなると、男女の賃金格差とキャリア格差は広がる一方だ。

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