桐山漣、共演したゆうたろうの行動に驚き「僕らの時代にはなかったな」<Interview>
桐山漣とゆうたろうのW主演ドラマ「青きヴァンパイアの悩み」(毎週月曜夜10:00-10:30、TOKYO MX)が2月8日(月)よりスタート。脚本は映画「his」(2020年)など、多彩な作品を手掛けるアサダアツシが務める。 【写真を見る】「吸血鬼らしく!」というリクエストに応えた桐山とゆうたろう コロナ禍の東京を舞台に描かれる本作は、夜の活動から昼への生活を強いられたた若い吸血鬼の黒澤蒼(桐山)と紫藤葵(ゆうたろう)の二人が、人間の生き血を求めて奮闘するユーモア交えたハートフルな物語。自分の力で一度も血を吸ったことがない中、さまざまな人間と出会い、ニューノーマルな生活を生き抜いていく。 今回はW主演を務める桐山とゆうたろうにインタビューを実施。初共演の二人に、お互いの印象や撮影エピソードを語ってもらった。 ■桐山「新しいバンパイアの作品が誕生したなと感じました」 ――アサダさんのオリジナル作品となりますが、作品の魅力をどのように感じられましたか。 桐山:これまでにない新しいバンパイアの作品が誕生したなと感じました。読めば読むほどバンパイアそのものが怖がられる存在ではなく、逆に弱い存在としてどうやって人間と向き合っていくかが描かれていて面白いんです。コメディーでありながら響かせるところはしっかりとあって、見ていてハッと気付かされることが多く、いろいろな要素が詰まっている作品だと思いました。 ゆうたろう:現代のコロナ禍の東京を描く難しさもありつつ、バンパイアをファンタジーに寄せ過ぎない絶妙なバランスで構成されていて、演じるのが難しいと思った作品でした。ダークなイメージのあるバンパイアが人間と関わりあって歩み寄っていく姿を、自分の解釈だけじゃなく監督や脚本を書いてくれたアサダさん、出演者の皆さんと話し合う中で作ることができたので、映像として見るのをすごく楽しみに感じています。 ――演じる上で役柄とはどのように向き合いましたか? ゆうたろう:葵はバンパイアである自分を特に気にしていない部分があって、どうやって生き抜くかというところに重きを置いているんです。だから、意外と生きることに熱量を持っていて、さりげないせりふがすごく僕自身にグサッと刺さる言葉だったりするんですよね。そういう役のコントラストみたいなものは、演じる上で大事にした部分でした。 桐山:蒼は割と役柄に一貫性がなくいろんな側面を持っているなと思いました。キャラというよりリアルというか、会う人に合わせて仕事の顔やプライベートの顔を使い分けているところがあって、僕らもそういうところはあるじゃないですか。だから、いろいろな側面を引き出せるように厚みを意識しながら演じました。 ■ゆうたろう「二人のアンバランスな関係性は見どころだと思います」 ――撮影現場を振り返って感じることはありますか? 桐山:本作の監督は、今まであったことがないくらい、監督史上1位というほど腰が低いんですよ。すごくルックスも愛らしいですし、キャラも親しみやすい方で、初めは監督がムードを作ってくれていたように思いますね。そういった意味ではコメディーシーンを和やかな雰囲気のまま撮影することができたのは監督あってものかなと思います。 ゆうたろう:毎日朝早くから夜遅くまでスケジュールが組まれていて、寒い倉庫での撮影などがあったので僕にとっては過酷な環境でした。でも、現場は温かくて監督も僕らの意見をくみ取ってくれたり、誰かが気になった疑問は整理を付けてから本番という流れだったりと、すごくやりやすかったです。撮影の合間はストーブの前でみんなで手を温めたり、初めてお会いした方がその日の終わりには戦友みたいになっていたり。忙しい中だからこそ距離の縮まり方が早くて救われましたね(笑)。 ――桐山さんとは2人だけで掛け合うシーンも多かったですね。 ゆうたろう:二人のシーンは他のシーンとは違う空気感で撮影していたので、少しコミカルさを出しながらテンポよく撮っていて、僕は純粋に楽しめました。どうしてもせりふ量が多いので苦戦する部分は二人で空き時間にせりふ合わせをして乗り越えていました。葵と蒼は兄弟のような感じですが時々立場が逆転したりするので、二人のアンバランスな関係性は見どころだと思います。 ――ゆうたろうさんの印象をどのように感じられましたか? 桐山:初めは人見知りなのかなという印象でした。でも、撮影が進むにつれてよく話してくれたり、カメラのセッティング待ちで静かになっている時に何かを口にして空気を変えてくれたり。気遣いではないけど気配りのできる人だと思って、すごくすてきでした。ただ、色付きのリップをしていることには驚かされて、僕らの時代にはなかったなと思うと、ファッション一つ取ってもニューノーマルだなと感じています。 ■桐山&ゆうたろうが語るアルバイトエピソード ――作品の中でさまざまなバイトをされていますが、経験されたバイトの思い出や、やってみたかったバイトはありますか? 桐山:僕はいろいろなバイトを経験していた時期があって、それこそティッシュ配りからカフェの店員まで20代の前半くらいまではやっていました。1時間一生懸命働いて時給900円とか1000円だった頃を思い返すと、あの時の感覚は大事にしないといけないなと思います。やりたいものでは、オレンジのキャップをかけながら作業服姿のワイルドな格好でガソリンスタンドのバイトとかは、一度やってみたいかもしれないですね。 ゆうたろう:僕も最初にバイトを始めたのが広島の地元の有名なお肉屋さんだったんですが、今まで親に甘えていたことを働いてみて痛感しました。怒られるし、平気で遅刻するタイプだったので世間の常識などを学ぶことが多かったです。今でもそこが僕のベースになっていて人間的な部分が形成されたところだと思うし、お客さんとは人見知りだろうが話さなきゃいけないので、人に少しずつ興味を持つきっかけになりました。もし、それがなかったら芸能界なんて絶対やれていなかったと思います。 やりたいものでは、中学生の時に職場体験で自分が卒業した保育園に行かせていただいたんですけど、子供が好きという理由だけではできない仕事なんだと思わされた思い出があるので、自分に対しての余裕ができた今、もう一度保育園の先生や園児たちの目線で物事を見てみたいなと思います。前の時は最後の日に泣いてくれた子もいてうれしかった記憶があるので、いつかお仕事でも子供たちと触れ合える機会があったらいいなと思います。 ――最後に、放送を待っている方々にメッセージをお願いします。 桐山:2020年はコロナ禍で変化のあった年でした。今回のドラマも変化が物語のテーマになっているので、バンパイアの2人が昼間の世界で悪戦苦闘する様子を楽しみにしていただきたいなと思います。 ゆうたろう:コロナ禍というリアルタイムでの出来事を取り入れているので感情移入しやすい作品だと思います。バンパイアがどうやって生きていくかに注目しつつ、希望やプラスのエネルギーを感じられる作品になっていますので、自分自身を投影しながら感じてもらいたいなと思います。 ※桐山漣の「漣」は、正しくは“さんずいに連” 取材・文=永田正雄