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三菱自動車の新型「エクリプス クロス」、PHEVを搭載した理由、改良で力を入れた点

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 クーペスタイルを纏った三菱自動車工業のSUV「エクリプス クロス」のマイナーチェンジが発表された。フロントとリアのデザインが改良されたこと以外に、大きなポイントとしてPHEV(プラグインハイブリッド車)が追加されたことが挙げられる。そこで、三菱自動車工業 商品戦略本部CPSチーム(C&D-seg)商品企画担当マネージャーの原陽一氏にその理由やユーザー層、商品改良のポイントなどについて話を伺った。 【この記事に関する別の画像を見る】 ■高評価なデザインをさらに洗練させて ――最初に伺いたいのですが、エクリプス クロスが商品投入されたのち、市場からの反響はどうでしたか。 原氏:もともとデザインを重視していましたので、その辺りは狙い通りで好評でした。特にこのクルマはグローバルで出していますので、色々な国でデザインはいいねという評価をいただいています。ただし正直な話ですが、リアまわりのデザインでは好き嫌いが多少出てしまいました。 ――フロントまわりでは最近の三菱自動車のデザインアイデンティティ「ダイナミックシールド」を際立たせるようにデザインされています。この辺りはマイナーチェンジ前のユーザーから何らかの声はあったのですか。 原氏:その点に関してはいいフィードバックしかいただいていませんので、特に変更する必要がなかったとも言えます。しかし、あえてもう少し強みを強化していくことにしました。三菱自動車としてクーペスタイルのSUVは初めてで、新たな挑戦です。一方、これまでの三菱自動車のお客さまは、割とオーソドックスなSUVを好んでいる方が多かった。そこでもう少し手を入れて、より強みを伸ばそうとしたのです。 ――それ以外に「ここは弱点」だとか「ここは何とかしてほしい」というユーザーの声はありましたか? 原氏:それは燃費です。競合他社と比較するとそれほどいい数字が出ていませんでした。また、アメリカなどではもう少しパワーがあったほうがいいという指摘もありました。 ――そういったことを踏まえて今回の商品改良に向かったわけですが、今回一番やらなければいけないと思ったことは何でしょう。 原氏:やはり今の強みをさらに高めようと、より洗練させたデザインにしていくことが第一目標でした。そこにプラスしてPHEVを搭載したことが挙げられます。それらを合わせてやっていくことが大事でした。 ――お客さまの声として弱かったところ、例えばパワーの部分などは何らかの改良はあったのでしょうか。 原氏:ガソリンエンジンについての改良はしていません。今回はどちらかというとPHEVシステムの方に注力しましたので、そちらに集中しています。 ――ではそこでパワーアップを図っているのですか。 原氏:パワー自体は「アウトランダー PHEV」に対しては(同じシステムであり)上がっていませんが、エクリプス クロスの使用用途やお客さまがアウトランダーと違うこともあり、PHEV導入はよりエクリプス クロスの選択肢を広げる扱いという位置付けを持たせています。 ――なぜPHEVをいまこの段階で搭載したのでしょうか。 原氏:今年度に中期経営計画「Small but Beautiful」を発表しました。その1つに電動車戦略があり、それに沿ったものです。PHEVを軸とした環境車の販売強化、商品のバリエーションを増やしていくという戦略のもと、今回搭載に至りました。 ――今回のパワートレーンにディーゼルエンジンは含まれていませんね。 広報部:三菱自動車は今後、PHEV技術に注力していく過程において選択と集中という観点からディーゼルを廃止し、PHEVへ置き換えることにしたのです。 ■PHEVを搭載するために前後長を伸ばして ――今回全長が140mm延長されていますが、具体的にはどこをどのくらい伸ばされたのですか? 原氏:フロントを35mm、リアを105mm伸ばしています。実は弱みという点で荷室がもう少し広いといいという要望もありましたので、リアを伸ばしたところで対応もしました。また、前述の通り、リアまわりのデザインで腰高感があるという声をいただいていましたので、ある程度その数字を使いながらデザインしています。  そして、技術的なところでPHEVを搭載するために全長を伸ばさざるを得なかったこともあります。リアにモーターを搭載する関係でクロスメンバーをガソリン車とは変更しています。また、クラッシャブルゾーンも確保しなければならないことから、リア側で105mm伸びる結果になったのです。 ――今回原さんが担当になって、一番苦労したところはどういったところでしたか。 原氏:やはりPHEVシステムの搭載の部分です。そこが元々の全長では載せられませんでしたので、そこをいか載せるかが大変でした。 ■ガソリン車ではよりスポーティに ――先ほどのお話によるとPHEVに注力したとのことでしたが、ガソリンモデルでの変更はありますか。 原氏:これはPHEVと共通ですが、エクステリアやインテリアカラーの追加以外に、スマートフォン連携ナビゲーション(SDA)の画面が8インチになりました。そしてガソリンモデルではサスペンションを再度チューニングし直し、スポーティさをより際立たせたセッティングにしています。  いずれにせよ、ボディが変わり重量も変わりますのでチューニングレベルでは必要です。今回それだけではなくて、サスペンションのショックアブソーバーの径を太くしました。当然コストも上がるのですが、全体のバランスを取りにいった結果です。それによってより動きをよくするなどの方向にしています。 ――新色としてホワイトダイヤモンドが追加されましたね。 原氏:この新色はよりボディの陰影をはっきりさせるカラーですので、デザイン部門的にも取り入れようと採用しました。また、全社的にもこのカラーは他のクルマにも取り入れますので、このクルマから出すことにしました。  また、内装色の追加についても今回PHEVも出ますし、より見た目の高級感もありますのでライトグレーの本革シートも選べるようにしました。新たに追加したコンビネーションシート(スエード調素材と合成皮革)は、人の触るところは合成皮革を使い高級な仕様となっています。 ■アウトランダーはファミリー向け、エクリプス クロスはパーソナルに ――さて、アウトランダーとエクリプス クロスのお客さま層はどのように違っているのでしょうか。 原氏:アウトランダーはオーソドックスなSUV形状をしており、どちらかというとファミリー向け、実用性を重視した構成になっています。それに対してエクリプス クロスは、もう少しドライバーオリエンテッド、乗って楽しめるところに重点を置いています。もちろん実用性もそれほど犠牲にしているところはありませんし、またデザイン的には若い人にも結構受けています。 ――エクリプス クロスのユーザーは基盤ユーザーが多いのですか、それとも他メーカーからの流入が多いのですか。 原氏:正確にはつかめていませんが、立ち上がりの時にユーザーインタビューを行なった際、そのほとんどが三菱自動車からの乗り換えユーザーでした。ただ、このクルマのコンセプトは家族を乗せるためのクルマではなく、自分が楽しむためのクルマ、自分らしいクルマということを訴えていました。そこに響いていただいた女性のお客さまに購入していただき、その方は他社からの乗り換えだったので、そこに共感していただいたお客さまは他社から来ていただけるということでしょう。それから海外では、新規顧客も多く取れています。また、若い層に購入していただいていますので、そこは新規ユーザーに当たります。 ――そうすると、三菱自動車のユーザーにもスタイリッシュなクルマをより求めている人たちが多かったと言えそうですね。 原氏:そういうところもあると思います。エクリプス クロス以外に、三菱自動車のSUVにはアウトランダーと「RVR」があります。デザイナーは商品企画とコンタクトを取りながら進めてくれましたので、この2台のクルマの間に来るクルマは特徴がないといけない、そこに答えてくれたのが今回のデザインなのです。アウトランダーとRVRは、どちらかというと厚めの顔で存在感のあるデザインにしているのに対し、エクリプス クロスはもっとシャープなデザインにしてほしいと話しました。 ――実際に運転してもアウトランダーと比べて、よりドライバーズカーな印象を受けますね。 原氏:確かにそうなのですが、完全に割り切っているわけではなく、当然乗員スペースなどの実用性は確保していますし、荷室もある程度の広さは確保しており、今回はそこもさらに改良を加えているのです。 ――今回PHEVとガソリンの2種類が投入されますが、どういう人たちにそれぞれ乗ってもらいたいと考えていますか。 原氏:三菱自動車のターゲットユーザーの年齢層は上の方にあって50代~60代。そこのところは引き続き取っていきたい。特にPHEVは子育てが終わって自由になったご夫婦の方に選んで、楽しんでいただきたいですね。一方で、若い方が選んでいただけるのも、このクルマの、そして三菱自動車としても大きな特徴ですので、その方々は価格的な面からもガソリン車が多くなると思っています。

Car Watch,内田俊一,Photo:堤晋一

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