家族6人で豪雪地帯へ 移住系YouTuberの活動に専門家「実際に来てくれる100人を大切に」ヒットのコツは“連携”
一面広がる銀世界と抜けるような青空。動画には大雪が降ったあとの雪かきや、地元農家が収穫作業をする様子が映っている。場所は豪雪地帯、新潟県・津南町。YouTubeで動画を発信しているのは、津南町公認YouTuberの南雲一人さんだ。 【映像】新潟県の豪雪地帯へ移住した南雲さん一家 「2020年の6月に埼玉県さいたま市から、新潟県津南町へ移住しました。一家6人で、妻と子供4人で新潟県津南町に引っ越してきました」 映像制作の会社で撮影や編集の仕事をしていた南雲さん。ずっと田舎暮らしに憧れていて、子供たちと一緒に思い出を作れる移住先を探していたという。家族には反対されなかったのだろうか。
「反対の声はありました。特に上の2人が高校生なので。『友達と、離れたくない』とか『転校したくない』とかそういう気持ちがあったみたいで。最初は猛反対。役場の方と相談している中にも同席して、一緒に話をしていった。その中でこのYouTuberの話があった。『やりたい、面白そう』と僕の気持ちを言ったときに『それならついて行ってみよう』みたいな風に思ってくれたのかなって気はします」 移住先を探す過程で津南町の役場を訪れた際に、提案されたYouTubeの情報発信活動。偶然にも、町が探していた人材と、南雲さんのスキルが重なり、地域おこし協力隊として移住が決まった。
津南町観光地域づくり課の石沢久和課長は、YouTubeを活用する狙いについてこう話す。 「新型コロナ以前から、やっぱり地方への回帰が一つの流れとしてある。そこを津南町としても『つかんでいかなきゃいけない』と思ったが、津南町は『夏は良いが冬は怖い』というイメージがあった。その中で、地域おこし協力隊を『津南住みますYouTuber』という形でやってみると面白いんじゃないかと思った。日々の生活の状況を映像発信して『あまり苦ではないよ』と宣伝したいと思っていた」 町の思いを受け、南雲さんは津南町の日常を情報発信。都会から移り住んだ子供たちの表情、地元住民との交流、周囲の風景、一般的にイメージされるYouTuberのような企画はなく、津南町の何気ない暮らしを描いた映像が並ぶ。 移住してからまもなく1年。南雲さんに「今感じていること」を聞いた。 「やっぱり印象に残るのは雪です。『こんなに降るのか』と。『いつまで降り続くんだろう』と不安な気持ちもある中、晴れ間をすごく感じた。豊かな自然に何度も癒された」 動画には、全国からコメントが寄せられている。 「驚きました。『こんなに全国から皆さん見てくれているんだな』と感じた。寄せられたコメントが『応援してます』や『こういう風にやったらいいですよ』などのアドバイス的な内容もあって、すごく心が温まって励まされた」