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Fukushima50は事実を伝えているか 東日本大震災9年の日、映画に感じた違和感

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 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から、11日でまる9年。このタイミングで、原発事故の対応にあたった現場の作業員らの姿を描いた映画「Fukushima50」(若松節朗監督)が公開されている。原発事故の首相官邸の初動対応を間近で取材した立場としては、やはり気になる。映画館に足を運んでみた。(ジャーナリスト=尾中香尚里)  ▽事故のすさまじさ知るきっかけには…  正直なことを言えば、あまり気乗りはしなかった。原発事故の初動対応に関する報道は、ほぼおしなべて、官邸の不手際を過度に強調していると感じてきたからだ。事故対応はもとより、事故発生前の日本政府の原子力政策を含めてその原因には複合的な要素があるのに、事故対応の評価は安易な「官邸悪玉論」に流れ過ぎている。それも不十分な情報をもとにだ。  何が正しいのかも分からない混乱の状況のなかで、筆者らはできる限り事実に即した報道に務めてきたつもりだし、その内容は後に各種事故調の報告書でも裏付けられたと自負している。ただ、「誤報」だと分かったことが、世間では修正されないままストーリーとして広まってしまうことがある。それを知るたび、自らの非力を情けなく思うしかなかった。

 おそらくこの映画も、福島第1原発の吉田昌郎所長を「英雄」として描き、官邸側、ありていに言えば菅直人首相(当時)を「悪役」として描いているのだろう。そんな思いを持っていたが、当の菅氏がこの映画を好意的に評価していることに軽い驚きを感じ、ともかく自分の目で確認したくなったのだ。  結論から言えば「思いのほか一方的な内容ではなかった」という印象だ。また、事故の記憶が薄れている人や、そもそも知らない若い世代などには、事故そのもののすさまじさを知るきっかけにはなるかもしれない。  とは言え、当時の取材の記憶を振り返れば、内容にはやはり違和感を禁じ得ない点もある。震災9年の節目を機に映画に接する方もいると思われるので、以下に映画と実際に起きたこととの違いなどを書き留めておきたい。なお、ネタバレが気になる方は、以降は映画を見た後に(または見ないと決めた後に)読んでいただければありがたい。  ▽初動対応、政権批判の論点は三つ

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