プロの着こなし拝見! スタイリスト・吉野 誠の秋冬スタイル【夜編】
着こなしというのは、全体的なルックスやバランスももちろん大事。それに加えてキャラクターとの兼ね合いも無視できません。華美に走らないところに吉野さんの人となりやセンスが垣間見えます。そして、足元もこれまたプレーンなローファーです。
ユニフォーム的なローファーで軽妙にハズす
「コーディネート的にはハズしの一足ということになるでしょう。このタッセルローファーはハルタのもの。ハルタは自分が学生時代にお世話になったドメ・ブランドです。海外の高級シューズとは一線を画す、ドレスすぎないスペックが妙にフレッシュに感じまして(笑)。レザーの材質と言い、細すぎないラストと言い、なんとも絶妙な仕上がりなんです。気取りすぎていないところが実に僕好み。加えて本当にリラックスして履ける一足でもあるんです(笑)」 確かにこれでスマートなブーツなどの合わせとなると、非常にキザに見えてしまう場合もあるでしょう。ユニフォーム的な一足を合わせることで、キメすぎを回避するというテクニック。確かにたまに頑張りすぎてコスプレ的なルックスになっている人を見掛けます。こういった“引き算”を加えることで、リアル感あるスタイルに仕上げられるということですね。
● 吉野 誠(スタイリスト)
1977年、千葉県生まれ。雑誌LEONをはじめ複数のメンズファッション誌やゴルフ誌、それに広告ビジュアルのスタイリングで活躍。ドレスやモード、それにカジュアルスタイルを取り混ぜた大人のスタイリング・テクは、業界でも評判。仲間とともに、ゴルフ系のアパレルブランド「ノンプロフェッショナルゴルフクラブ」設立に携わる。
写真/大森 直(TABLEROCK) 編集・文/長谷川 剛(Table Rock Script)