プロの着こなし拝見! スタイリスト・吉野 誠の秋冬スタイル【夜編】
気軽な夜のレストランデートを意識して
「クラシックな仕立てのブレザーを羽織るということで、それなりにドレッシーなシチュエーションをイメージしました。気になる女性と気軽に夜のディナーに出掛けるような、そんなナイトシーンですね。だからインナーは白無地シャツです。色っぽさだけで考えると、黒シャツの選択肢もありますが、それだと少し頑張りすぎ。また、対女性という意味では清潔感ある白シャツが鉄板であると、個人的には思っているのです(笑)。とは言え、かしこまりすぎると場が堅くなるもの。多少のワイルドさも演出したいので、アクのあるオープンシャツでアクセントを付けました」
ブーツカットジーンズで足元にボリュームを
「そしてボトムスはリーバイスのブルージーンズ。もうひとつのアク足しとして、ブーツカットタイプの517を選びました。裾広がりのシルエットは足元にもボリュームが出ますし、Aラインのシャツとも非常に相性良し。また517に関しては、かなり色落ちしたモデルも所有しています。しかし、今回はドレスルックを大事にしたかったので、ブルーの濃いほうにてコーディネートしました」
ブルー&ホワイトに絞った着こなしは非常に爽やかで若々しさも感じます。ロジック的にはシンプルですが、小物で個性を出すことも吉野さんは忘れていません。メガネと指輪を加えてスキのないコーディネートに仕上げています。 「定番的な合わせのみだと記憶に残りづらいですからね。ただし服装を派手にしてしまうと、今度は下品に見えてしまいます。小物などのアクセサリーで、個性や洒落感のバランスを取るのが正解。シックなジャケットを軸とした装いは、知的な方向にアレンジするのが僕のやり方です。真面目さをアピールする場合は黒縁フレームとなりますが、今回は色気というか遊びの要素を足したいと考え、メタルのダブルブリッジをチョイス。個性的ですが細リムなので、ちょうど良いアク足しになっていると思います(笑)」
この辺の匙加減がプロフェッショナルはやはり違います。リングもシンプルですが、適度なボリュームを持つモデルを重ね付けしています。 「シルバーの方はヒロタカ。デコラティブなフォルムが気に入って愛用しています。石付きタイプは派手になってしまうので、ボリューミーでありつつもシンプルなデザインを選んでいます。ブラスのリングは無銘のもの。このヒロタカに組み合わせると良いバランスになると考え、衝動的に買い足した一本です(笑)」