関東一エース笠井がハットトリックを達成、山辺を撃破し2回戦へ
東京予選で5試合連続8ゴールのエース笠井がハットトリックを達成
12月31日、ゼットエーオリプリスタジアムで第99回全国高校サッカー選手権大会1回戦2試合が行われた。第1試合は関東一(東京B)が圧倒的な攻撃力を見せつけ、4-0で山辺(奈良)を下し、2回戦へと駒を進めた。 【日程結果】第99回全国高校サッカー選手権 見どころは両校のエース対決。関東一のエース、10番のFW笠井佳祐は東京予選で5試合連続8得点。対する山辺のエースは一年生にしてキャプテンの9番FW太田凱翔。エースがエースとしての役割を果たせば、勝利をグッとたぐり寄せることができる。 試合は関東一のキックオフでスタート。3年ぶり3回目の出場となった関東一に対し、初出場の山辺は序盤からやや引き気味に守備を固める。立ち上がりからボールを支配する関東一は前半1分に右サイドから7番のMF肥田野蓮治が切り込むが山辺のディフェンス陣がブロック。さらに2分過ぎにはエース笠井がドリブルで持ち込みシュートを放つもボールはバーの上に。その後も東京予選の準決勝で、選手権2年連続出場を狙った強豪・國學院久我山を退けるなど、圧倒的な攻撃力を誇る関東一がペースを握るが、粘り強くディフェンスを続ける山辺がワンチャンスを狙いカウンターで攻め立てる。 関東一はキックオフから14分過ぎ、コーナーキックから5番のDF菅原涼太が打点の高いヘディングを見せるもゴールならず。18分過ぎにはスローインから14番のMF類家暁が強烈なシュートを放つなど押し気味に試合を進めるも20分を迎え、新型コロナの感染拡大を受けて前後半で各一度ずつ設けられた飲水タイムに入る。 その後も攻める関東一は29分過ぎにもコーナーキックから笠井がヘディングを見せるもゴールならず。前半終了間際にはMF肥田野もヘディングからゴールを狙うも、19番の森純人を中心に優れたラインコントロールを見せる山辺のディフェンス網をなかなか破ることができず、前半をスコアレスで終了。シュート8本の関東一に対し、シュートゼロに終わった山辺だが、カウンター狙いで虎視眈々と得点を狙っているような印象。守備重視の戦いはおそらく想定内だろう。 早い時間帯で先制したい両チーム。後半開始早々に関東一がチャンスをつかむ。MF類家のコーナーキックを起点に再三ゴールに迫るが山辺はGK志賀隼太やDF森純太を中心にゴールを割らせない。 試合が動いたのは後半4分だった。5番DF菅原からの裏を通したパスに後半から投入された18番のFW平田晟也が反応し、自ら切り込んでシュート。山辺GKの志賀が弾いたこぼれ球に反応したエース笠井が豪快に右足を振り込み、関東一がついにゴールをこじあける。 すると続く6分。またも5番菅原からのパスに反応した平田が巧みにボールを右足でトラップし、GKをかわしそのままシュート。ボールは無人のゴールに吸い込まれ、瞬く間に2点のリードと変わる。 なかなか好機を作れない山辺はGK志賀をはじめ3人の選手交代で流れを呼び込もうとするも、関東一は流れを離さない。後半14分過ぎにもセットプレーからのセンタリングから5番の菅原が飛び込む。ゴールはならなかったものの、バリエーションの豊富さを見せつける関東一は後半24分にも追加点をあげる。MF肥田野からの絶妙なパスを受けた笠井がボールを軽く浮かせたシュートを放ち、自身2点目ゴールを決め3点差とする。 さらに後半36分過ぎには、DFからのバックパスをカットしようと笠井が足を伸ばすと、足に当たったボールはそのままゴールへ吸い込まれ、笠井はハットトリックを達成。初出場の山辺は試合終了まで必死にゴールを狙うが、得点を奪うことはできず、試合は圧倒的な攻撃力と高い個人技を見せつけた関東一が4-0で勝利した。 エースFW笠井佳祐を筆頭にFW平田晟也、MF類家暁らの圧倒的な“個の力”を見せつけた関東一。次戦の相手は遠野(岩手)を5-0と圧倒するなど、高い攻撃力を誇る神戸弘陵学園(兵庫)に決定。ハイレベルの好ゲームが期待される。